介護予防プラン(要支援1・2)の文例|課題・長期目標・短期目標【総合事業・事業対象者対応】

介護予防プラン(要支援1・2)の課題・目標の例文・文言集です。

居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成する際に直面する様々な課題を解決するためのお手伝いをします。

・介護予防プランに関するニーズや目標の文例や記入例を見ながら、計画書作成をスムーズに進めたい方へ
・監査や実地指導での指摘を避け、安心して業務に取り組みたい方へ

介護予防サービス計画(介護予防プラン)は、要支援1・2の認定を受けた方を対象とした計画書です。通常の居宅サービス計画と異なり、「現在の状態を維持・改善して要介護状態への進行を予防する」という視点が最も重要です。運動機能・口腔機能・栄養状態・閉じこもり予防・社会参加など、生活機能全般にわたる予防的な目標設定が求められます。地域包括支援センターの担当者や委託を受けた居宅介護支援事業所のケアマネが作成する際の参考例としてお使いください。

介護予防サービス・支援計画書(介護予防ケアプラン)とは

介護予防サービス・支援計画書は、通称「介護予防ケアプラン」と呼ばれています。

原則として住所地を担当する地域包括支援センターの職員が「介護予防ケアプラン」の作成者となりますが、地域包括支援センターから委託された居宅介護支援事業所の介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成者になることもあります。

アセスメント領域と現在の状況として、①運動・移動、②日常生活(家庭生活)、③社会参加・対人関係・コミュニケーション、④健康管理について利用者の生活の領域を多角的に把握し評価を行います。介護予防サービス・支援計画書では、それぞれの領域においての課題を抽出し、課題に対する目標と具体策、本人の意向などを踏まえ、セルフケア・介護保険サービス・インフォーマルサービスなどの支援のポイントにまで落とし込んで明記していきます。

介護予防ケアマネジメント(予防ケアプラン)の様式

参考:介護予防ケアマネジメント(予防ケアプラン)の様式

 

介護予防プラン(要支援1・2)に関するニーズ・長期目標・短期目標例文一覧

介護予防プランを作成するときは、「現在できていることを継続する」「低下しつつある機能を回復・維持する」「要介護状態への移行を防ぐ」という3つの視点を意識してニーズを整理することが重要です。本人の意欲・自立心を大切にしながら、できる限り自分でできることを増やす方向性の文言を心がけてください。

運動機能・身体機能の維持・向上に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
足腰の筋力が低下してきており、このまま弱くなっていくのが心配なため、体力を維持しながら生活したい 筋力・体力が維持・向上し、要介護状態に移行することなく自立した生活が続けられるようになる 介護予防通所サービスまたは自宅での体操を週○回継続し、下肢筋力の低下を防ぐことができるようになる
最近転びそうになることが増えてきたため、転倒を予防しながら安全に生活したい バランス機能が維持・向上し、転倒することなく安全に日常生活が続けられるようになる バランス訓練・ストレッチを週○回行い、ふらつきが軽減されて安全に歩けるようになる
歩く速さが遅くなってきたため、体を動かす習慣をつけながら体力を保ちたい 歩行能力が維持・改善し、外出や日常生活の活動が自立して続けられるようになる ウォーキングまたは通所サービスでの運動を週○回継続し、歩行速度の低下を防ぐことができるようになる
膝や腰の痛みがあり動くことが減っているため、痛みをコントロールしながら活動量を維持したい 痛みが管理され、活動量が維持された自立した生活が続けられるようになる 痛みの状態に合わせた運動プログラムを継続し、痛みが増悪しない範囲で活動量が保てるようになる

口腔機能・嚥下機能の維持に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
最近むせることが増えてきたため、飲み込みの機能を維持しながら食事を楽しみたい 嚥下機能が維持され、誤嚥なく安全に食事が楽しめる状態が続けられるようになる 口腔体操・嚥下訓練を毎日継続し、むせる回数を減らすことができるようになる
口腔内が不衛生になりやすく歯のトラブルが心配なため、口腔ケアをしながら口の健康を保ちたい 口腔内の清潔が保たれ、口腔機能が維持された状態で生活が続けられるようになる 毎食後の歯磨きと定期的な歯科受診を継続し、口腔内の健康が維持できるようになる
滑舌が悪くなってきて会話が聞き取られにくくなっているため、口の機能を維持したい 口腔機能が維持・改善し、スムーズなコミュニケーションが続けられるようになる パタカラ体操など口腔機能訓練を毎日行い、発話の明瞭度が維持できるようになる

栄養・食生活の改善に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
食事量が減り体重が落ちてきているため、栄養状態を改善しながら体力を維持したい 栄養状態が改善・維持され、体力が保たれた自立した生活が続けられるようになる 1日3食を規則正しく食べる習慣を取り戻し、体重が維持できるようになる
一人暮らしで食事の準備が簡単なものに偏っているため、バランスの良い食事をとりながら生活したい バランスの良い食事が習慣化し、栄養状態が維持された生活が続けられるようになる 配食サービスの活用または通所サービスでの食事提供を利用し、週○回栄養バランスの良い食事が確保できるようになる
食欲が落ちており体重が減少傾向にあるため、食べる意欲を取り戻しながら栄養を確保したい 食欲が回復し、必要な栄養が継続して確保できる生活が送れるようになる 通所サービスでの食事を楽しむ機会を増やし、食欲の改善と体重の維持が図れるようになる

閉じこもり予防・社会参加に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
外出する機会が減り家に閉じこもりがちになっているため、外出・交流の機会を増やしたい 定期的な外出・社会参加ができるようになり、閉じこもりを予防しながら生活が続けられるようになる 通所サービスまたは地域の集まりに週○回参加し、外出する習慣を取り戻すことができるようになる
友人や知人と会う機会が減り孤独を感じることが増えているため、人との交流を楽しみながら生活したい 人との交流機会が定期的に確保され、孤独感が軽減された充実した生活が続けられるようになる 通所サービスや地域のサロンへの参加を週○回継続し、会話・交流を楽しめる場が確保できるようになる
趣味や楽しみが減ってきており生活意欲が低下しているため、楽しみを持ちながら意欲的に生活したい 生活の楽しみ・生きがいが維持・回復し、意欲的に日常生活が続けられるようになる 好きな趣味活動や地域の集まりに月○回参加し、楽しいと感じる時間が増えるようになる
地域とのつながりが薄れており孤立が心配なため、地域の活動に参加しながら生活したい 地域とのつながりが維持・拡大し、孤立することなく生活が続けられるようになる 地域のサロン・老人クラブ・ボランティア活動などに月○回参加し、地域とのつながりが保てるようになる

日常生活動作(IADL)の維持に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
買い物や料理など家事動作が少しずつ難しくなってきたため、できる限り自分で続けたい 家事動作の自立が維持され、できることを継続しながら自立した生活が送れるようになる できる家事は自分で続けながら、難しい部分のみサービスで補う体制を整えることができるようになる
服薬管理や金銭管理など生活管理が少し難しくなってきたため、支援を受けながら自立した生活を続けたい 生活管理の自立が維持され、安心して在宅生活が続けられるようになる 服薬カレンダーや家族のサポートを活用し、服薬・生活管理が自立してできる状態を維持できるようになる
通院や外出時の移動が少し不安になってきたため、安全に外出・通院できる方法を整えたい 安全に外出・通院が継続でき、社会生活の自立が維持できるようになる 歩行補助具の適切な使用または外出支援サービスを活用し、必要な外出が安全に継続できるようになる

認知機能・生活意欲の維持に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
物忘れが増えてきており認知機能の低下が心配なため、頭を使う活動を続けながら生活したい 認知機能が維持され、日常生活を自立して送れる状態が続けられるようになる 通所サービスでの認知症予防プログラムや趣味活動を週○回継続し、認知機能の低下を予防できるようになる
何もする気が起きない日が増えてきており、生活全般が滞り始めているため意欲を取り戻したい 生活意欲が回復し、自立した日常生活が活動的に続けられるようになる 通所サービスへの参加や好きな活動を取り入れることで、一日の活動量と意欲が高まるようになる

 

【要支援1・要支援2・事業対象者別】目標設定の考え方と文例

介護予防ケアプランは「自立支援・重度化防止」が目的です。同じ介護予防でも、認定区分によって想定される状態像と目標の重心が変わります。

事業対象者(基本チェックリスト該当)

認定を受けるほどではないものの、生活機能の低下が見え始めた段階です。今の力を落とさないことと、地域とのつながりを保つことが中心になります。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
最近つまずくことが増えてきたが、今の元気な生活を保ちたい 生活機能が維持され、介護が必要な状態にならずに暮らせるようになる 通所型サービス(体操教室)に週1回参加し、下肢筋力を維持できる
外出の機会が減ってきたので、地域の活動にまた参加したい 地域とのつながりが保たれ、活動的な生活が続けられるようになる 地域の通いの場(サロン・体操教室)に月2回以上参加できる
食事が簡単なもので済ませがちなので、バランスよく食べたい 食生活が改善し、低栄養を防ぎながら健康に暮らせるようになる 1日3食・主菜のある食事を続け、体重を維持できる

要支援1(生活機能の一部に支援が必要)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
掃除の中でも風呂掃除だけがつらいので、そこだけ手伝ってもらいたい できる家事を自分で続けながら、清潔な住環境が保たれるようになる 負担の大きい浴室の掃除のみ支援を受け、その他の家事は自分で続けられる
膝が痛くて長く歩けなくなってきたが、買い物には自分で行きたい 歩行能力が維持され、自分で買い物に行く生活が続けられるようになる 週1回の運動器機能向上プログラムに参加し、連続して歩ける距離が伸びる
一人だと運動が続かないため、通いながら体を動かす習慣をつけたい 運動が生活の習慣として定着し、身体機能が維持できるようになる 介護予防通所サービスに週1回通い、自宅でも週3回の体操を続けられる

要支援2(複数の生活機能に支援が必要・状態の変動あり)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
体調に波があり動けない日もあるが、できるだけ自分のことは自分でしたい 体調に応じた生活の組み立てができ、自立した生活が維持できるようになる 調子の良い日は自分で家事を行い、難しい日は支援を受ける形を続けられる
入浴が不安になってきたが、要介護にならないよう体力も保ちたい 安全な入浴と運動の機会が確保され、現在の生活機能が維持できるようになる 週1回の通所で入浴と機能訓練を受け、自宅での入浴も継続できる
物忘れが少し出てきたが、これ以上進まないようにしたい 認知機能が維持され、自分らしい生活が続けられるようになる 人と関わる活動と役割を持つことで、生活のリズムを保てる

総合事業(通所型・訪問型サービス)を位置づける場合の文例

介護予防・日常生活支援総合事業のサービスは、市町村により名称・種別が異なります。ここでは代表的な類型ごとの目標例を示します。

サービス類型 ニーズ 短期目標
通所型サービス(従前相当) 入浴と運動の機会を確保しながら、今の生活を続けたい 週1回の通所で入浴・機能訓練を受け、自宅での生活動作を維持できる
通所型サービスA(緩和した基準) 気軽に通える場所で、体を動かす機会を持ちたい ミニデイ型のサービスに週1回参加し、運動と交流の機会を持てる
通所型サービスC(短期集中予防) 短期間しっかり取り組んで、また自分で外出できるようになりたい 3か月間の短期集中プログラムに参加し、屋外歩行が自立して行える
訪問型サービス(従前相当) できない家事だけ支援を受けながら、自宅での生活を続けたい 週1回の訪問により、負担の大きい家事を補いながら生活が維持できる
訪問型サービスA(生活援助中心) 買い物や掃除を手伝ってもらいながら、できることは自分で続けたい 支援を受けつつ、洗濯や調理など自分でできる家事を継続できる
一般介護予防事業(通いの場) 介護保険のサービスでなくてもよいので、地域で人と関わりたい 地域の体操教室・サロンに月2回以上参加し、顔なじみができる

目標達成後を見据えた文例(セルフマネジメントへの移行)

介護予防ケアマネジメントでは、サービスの利用を継続することではなく、支援がなくても続けられる状態を目指します。プラン作成時から「その先」を意識した目標を置いておくと、評価と見直しがスムーズです。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
教えてもらった運動を、自宅でも自分で続けられるようになりたい 自主的な運動習慣が定着し、サービスに頼らず生活機能が維持できるようになる 自宅でできる運動メニューを覚え、週3回自分で実施できる
体力がついてきたので、地域の集まりに自分で通えるようになりたい 地域の活動に自ら参加でき、支援がなくても社会とのつながりが保てるようになる 通所サービスと並行して地域の通いの場に参加し、移行の準備ができる
家事が少しずつできるようになってきたので、自分でやれる範囲を増やしたい 生活行為の自立度が高まり、必要最小限の支援で生活が送れるようになる 支援を受けながら一緒に行う方法に切り替え、自分で行う工程を増やせる

介護予防ケアプランでよくあるNG例と改善例

介護予防では「本人ができることを奪わない」ことが最も重要です。要介護のプランと同じ書き方をすると、自立支援の趣旨から外れた内容になりやすい点に注意しましょう。

NG例 見直したい理由 改善例
(短期目標)ヘルパーに掃除をしてもらう 支援を受けること自体が目標になっており、自立支援の視点がない (短期目標)負担の大きい部分のみ支援を受け、日常の片づけは自分で続けられる
(ニーズ)一人で家事を行うことが困難 できないことのみに着目し、できる力の評価が抜けている (ニーズ)重い物を運ぶ動作は難しくなったが、できる家事は自分で続けたい
(長期目標)現状を維持する 抽象的で、何がどう保たれれば達成なのか判断できない (長期目標)自分で買い物に行ける歩行能力が保たれ、自立した生活が続けられるようになる
(短期目標)デイサービスに週1回通う サービス利用の回数が目標になっている (短期目標)週1回の通所で運動を継続し、自宅でも体操を週3回行える
(長期目標)要介護状態にならない 認定結果を目標にしており、本人の生活の姿が示されていない (長期目標)今の身体機能が保たれ、自分のことを自分で行う生活が続けられるようになる
(短期目標)家族に見守ってもらう 家族の行動が目標で、本人の主体性が反映されていない (短期目標)体調や困りごとを家族・支援者に自分から伝えることができる

介護予防ケアマネジメントで押さえておきたい視点

「目標志向型」で組み立てる:介護予防サービス・支援計画書は、本人が「こうなりたい」と語った目標から逆算して支援内容を決めます。アセスメント時に、以前できていたことや続けたいことを丁寧に聞き取りましょう。

期間を区切って評価する:介護予防では、支援の効果を一定期間で評価し、卒業・移行を含めて見直すことが求められます。目標期間は認定有効期間に合わせつつ、3〜6か月で確認できる内容にします。

インフォーマルな資源を優先的に検討する:介護保険のサービスありきではなく、地域の通いの場、住民主体の支援、家族・近隣の協力を先に検討します。

予防給付と総合事業の区分を確認する:介護予防訪問看護・介護予防福祉用具貸与などは予防給付、訪問型・通所型サービスは総合事業です。市町村ごとの類型と単価を確認して位置づけましょう。

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