
廃用症候群のある利用者に関するケアプランのニーズ・長期目標・短期目標の例文・文言集です。
居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成する際に直面する様々な課題を解決するためのお手伝いをします。
・廃用症候群に関するニーズや目標の文例や記入例を見ながら、ケアプランや計画書作成をスムーズに進めたい方へ
・監査や実地指導での指摘を避け、安心して業務に取り組みたい方へ
廃用症候群(生活不活発病)は、入院・安静・活動量の低下などによって全身の機能が低下する状態です。筋力低下・関節拘縮・骨密度低下・心肺機能低下・認知機能低下・うつ症状など、身体・精神の両面に広く影響します。特に高齢者では短期間の安静で急速に機能が低下するため、早期の離床・活動再開が重要です。入院後の在宅復帰・長期臥床・活動量の少ない生活など、廃用症候群が生じやすい場面は多く、ケアプランでも頻繁に登場するテーマです。利用者の状態や回復段階に合わせて文言をアレンジしてお使いください。
廃用症候群に関するニーズ・長期目標・短期目標例文一覧
廃用症候群のケアプランを作成するときは、「いつから・なぜ活動が低下したのか」「どの機能がどの程度低下しているか」「どこまでの回復を目標にするか」を明確にすることが重要です。回復段階に応じて目標の高さを調整し、達成可能で本人の意欲を引き出せる目標設定を心がけてください。
入院後・退院直後の廃用予防・機能回復に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 入院で体力が大きく落ちてしまったため、リハビリを続けながら以前のように動けるよう回復したい | 入院前の体力・筋力を取り戻し、自宅での日常生活が自立して送れるようになる | 訪問リハビリを週○回継続し、歩行・立ち座り動作が安定してできるようになる |
| 退院後に体が思うように動かなくなっており、日常生活の動作を取り戻しながら生活したい | 退院後のリハビリにより日常生活動作が回復し、自宅での生活が安心して続けられるようになる | 通所リハビリまたは訪問リハビリを週○回利用し、ADLの改善が段階的に図れるようになる |
| 入院中に寝ている時間が長かったため足腰が弱くなり、歩けるよう回復させたい | 下肢筋力が回復し、歩行補助具を使いながら自立した移動ができるようになる | 理学療法士の指導のもと下肢筋力訓練・歩行訓練を週○回行い、室内を手すりを使って歩けるようになる |
| 入院前は自分で家事ができていたが退院後にできなくなってしまったため、家事動作を取り戻したい | 家事動作の自立が回復し、以前のように自分で家事ができる生活が取り戻せるようになる | 作業療法士の指導のもと家事動作訓練を週○回継続し、調理・掃除の一部が自力でできるようになる |
| 入院をきっかけに車いす生活になってしまったが、できれば歩けるようになりたい | 歩行能力が回復し、歩行補助具を使って室内を自立して移動できるようになる | 理学療法士によるリハビリを週○回受け、平行棒または歩行器での歩行訓練が継続できるようになる |
| 退院後に食欲がなく体重が減っており体力が戻らないため、栄養をとりながら回復を目指したい | 栄養状態が改善し体力が回復することで、在宅生活の自立度が向上するようになる | 管理栄養士・訪問看護師の指導のもと食事内容を見直し、必要な栄養量が毎日確保できるようになる |
長期臥床・寝たきり傾向への対応に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 一日中ベッドで過ごすことが多くなっており、体の機能が落ちないよう体を動かしたい | 適切な離床・活動により廃用症候群の進行が防止され、現在の身体機能が維持できるようになる | 毎日○時間以上の離床(車いす・端座位)を継続し、ベッド上での同一体位時間を減らすことができるようになる |
| ベッドから起き上がることが怖くて動けない状態が続いているため、少しずつ体を動かせるようになりたい | 離床時間が増え、廃用症候群の進行が防止されながら生活の活動量が維持できるようになる | 介護ベッドの背上げ機能を活用して端座位の時間を増やし、毎日○回の離床が習慣化できるようになる |
| 足腰が弱くなりトイレまで歩けなくなってきたため、またトイレに歩いて行けるようになりたい | 歩行能力が回復し、手すりを使って自分でトイレまで移動できるようになる | 下肢筋力訓練と歩行練習を週○回継続し、見守りのもとで歩行器・手すりを使ってトイレまで移動できるようになる |
| 日中もほとんど横になっており体の機能がどんどん落ちていくのが心配なため、廃用を防ぎたい | 廃用症候群の進行が防止され、現在の生活機能が維持できるようになる | デイサービスへの週○回参加により日中の覚醒・活動時間を確保し、廃用予防の取り組みが継続できるようになる |
| 骨折後の安静で全身の筋力が低下しており、廃用が進まないよう適切に動かしてほしい | 骨折が回復するまでの間、廃用症候群の進行を最小限に抑えながら生活できるようになる | 骨折部位への負担を避けながら、上肢・体幹の訓練を週○回継続し、廃用を最小限に抑えることができるようになる |
筋力低下・関節拘縮の予防・改善に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 手足の筋力が落ちており日常生活動作が難しくなってきたため、筋力を回復させながら生活したい | 筋力が維持・向上し、日常生活動作の自立度が改善できるようになる | 訪問リハビリまたは通所リハビリでの筋力訓練を週○回継続し、上下肢の筋力低下を防ぐことができるようになる |
| 関節が固まってきており動かすときに痛みがあるため、拘縮が進まないよう関節を動かしてほしい | 関節可動域が維持され、拘縮の進行が防止されながら日常生活が継続できるようになる | 理学療法士または職員による関節可動域訓練を毎日継続し、関節の柔軟性が維持できるようになる |
| 肩・腕が上がりにくくなってきており着替えなどの動作が難しいため、上肢機能を回復させたい | 上肢の可動域・筋力が改善し、更衣・整容などの日常動作が自立してできるようになる | 作業療法士の指導のもと上肢の訓練を週○回継続し、肩・腕の可動域が改善できるようになる |
| 膝が伸びにくくなってきており立ち上がりや歩行に支障があるため、改善させたい | 膝関節の可動域が改善し、立ち上がり・歩行が安全にできるようになる | 膝関節の可動域訓練とストレッチを毎日継続し、立ち上がり時の膝の動きが改善できるようになる |
| 長期間体を動かしていないため全身の筋力・体力が落ちており、少しずつ取り戻したい | 段階的なリハビリにより全身の筋力・体力が回復し、日常生活の自立度が向上するようになる | 本人の体力に合わせたリハビリメニューで週○回訓練を継続し、毎週少しずつ活動量が増やせるようになる |
ADL・日常生活動作の回復に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 以前は自分でできていた着替えが難しくなってしまったため、また自分でできるようにしたい | 更衣動作の自立が回復し、介助なく自分で着替えができるようになる | 作業療法士の指導のもと更衣動作の練習を週○回継続し、上衣の着脱が自力でできるようになる |
| 自分で食事を食べることが難しくなってきたため、自力で食事ができるようになりたい | 食事動作の自立が回復し、自分でスプーン・箸を使って食事ができるようになる | 作業療法士の指導のもと食事動作の訓練を週○回継続し、自助具を使って自力で食事ができるようになる |
| 入浴が一人ではできなくなってしまったため、できる限り自分で入浴できるようになりたい | 入浴動作の自立度が回復し、入浴補助用具を使いながら一部自立して入浴できるようになる | 入浴補助用具の使用方法を習得し、洗体の一部が自力でできるよう訓練を週○回継続できるようになる |
| 廃用で体が動かしにくくなっているが、できることを少しずつ増やしながら生活したい | 廃用から回復しADLが改善することで、できることが増えた生活が送れるようになる | 理学療法士・作業療法士による評価のもと、現在できないADL動作の練習を段階的に進めることができるようになる |
心肺機能・持久力の回復に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 少し動いただけで息切れするようになってしまったため、体力をつけながら生活したい | 心肺機能・持久力が回復し、息切れなく日常生活の活動が続けられるようになる | 心肺機能に配慮した有酸素運動を週○回継続し、息切れなく歩ける距離が少しずつ延びるようになる |
| 体力が落ちて通所サービスへ行くことも疲れるようになってきたため、体力を回復させたい | 持久力が回復し、通所サービスへの定期的な参加が無理なく継続できるようになる | 段階的な活動量の増加により、通所サービス利用後の疲労が軽減され継続参加できるようになる |
| 外出すると疲れてしまい翌日まで疲労が残るようになったため、外出できる体力を取り戻したい | 体力・持久力が回復し、外出後の疲労が当日中に回復できる状態が取り戻せるようになる | 短時間の外出から始め、週○回の外出を継続することで体力が段階的に向上できるようになる |
精神面・意欲低下への対応に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 入院後から気力が出ずリハビリへの意欲が低下しているため、前向きに取り組めるようになりたい | リハビリへの意欲が回復し、積極的に訓練に取り組めるようになる | 小さな目標を設定して達成感を積み重ね、週○回のリハビリへの参加意欲が維持できるようになる |
| 体が動かせなくなり何もする気になれない状態が続いているため、生活意欲を取り戻したい | 生活意欲が回復し、日常生活に楽しみや目標を持ちながら過ごせるようになる | 以前好きだった活動や趣味を少しずつ取り入れ、楽しいと感じる時間が週○回確保できるようになる |
| 「もう回復しない」と思い込んでいてリハビリを拒否することがあるため、回復への希望を持ちながら取り組みたい | 回復への意欲が高まり、継続してリハビリに取り組める状態が維持できるようになる | 小さな回復を実感できるよう訓練の成果を記録し、「できるようになったこと」を本人・家族と共有できるようになる |
| 外出が減り人と会うことがなくなって気持ちが落ち込んでいるため、人との交流を取り戻したい | 人との交流が回復し、精神的な活力が維持された生活が続けられるようになる | デイサービスへの週○回参加により他者との交流機会が確保でき、気持ちの落ち込みが軽減できるようになる |
自宅での自主訓練・セルフマネジメントに関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| リハビリの専門家に指導してもらった体操を自宅でも続けて、機能を回復させたい | 自宅での自主訓練が習慣化し、身体機能の回復・維持が継続して図れるようになる | 理学療法士から指導を受けた自主訓練メニューを、自宅で毎日または週○回実施できるようになる |
| 廃用が進まないよう自分でできることは自分で行い、できる限り自立した生活を続けたい | 廃用の進行が防止され、現在できることを継続して自立した生活が維持できるようになる | 日常生活の中でできる動作(歯磨き・洗顔・整容など)を自力で行う習慣を維持し、介助量が増えないようにすることができるようになる |
| 家族にリハビリの方法を教えてもらい、家でも家族と一緒に訓練を続けたい | 家族との自主訓練が習慣化し、廃用症候群の進行が防止されながら生活が続けられるようになる | 理学療法士・作業療法士から家族への訓練方法の指導を受け、週○回家族とともに自主訓練が継続できるようになる |
施設入所中の廃用予防に関するニーズ・目標(施設ケアプラン向け)
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 施設での生活でどんどん体が弱っていくのが心配なため、廃用が進まないよう体を動かしてほしい | 廃用症候群の進行が防止され、現在の身体機能が維持できるようになる | 毎日の離床・施設内でのリハビリを継続し、ベッドでの生活時間を減らすことができるようになる |
| 施設に入ってから歩けなくなってしまったが、少しでも歩けるよう回復したい | 歩行能力が回復・維持し、職員の介助のもとで短距離の歩行ができるようになる | 理学療法士による歩行訓練を週○回継続し、平行棒または歩行器での歩行練習ができるようになる |
| 食事や整容など自分でできていた動作が少なくなってきたため、できることを維持したい | できるADL動作が維持され、自立した生活動作が継続できるようになる | 食事・整容など自力で行える動作は職員が見守りのもとで本人が行い、過介助にならない支援が継続できるようになる |
廃用症候群のケアプラン作成における注意点
廃用症候群のケアプランを作成する際は、以下の点に特に注意が必要です。
①原因疾患・安静の背景を把握する
廃用症候群は原因があって生じるものです。入院・骨折・脳梗塞・うつ病など、なぜ活動が低下したかを把握したうえでニーズを整理することで、より的確なケアプランになります。
②回復段階に応じた現実的な目標設定をする
廃用の程度・年齢・原因疾患によって回復できる範囲は異なります。「以前のように完全に戻る」という目標が現実的でない場合は、「できる限り回復する」「現在の機能を維持する」という表現にすることで、本人の意欲を損なわずに適切な目標が設定できます。
③短期目標は短期間で設定・こまめに見直す
廃用症候群は変化が速いテーマです。回復が順調な場合は目標を上方修正し、進行している場合は目標を見直すことが必要です。3ヶ月程度を目安に短期目標を設定し、定期的なモニタリングで評価・更新しましょう。
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