施設ケアプランの文言・文例集|ニーズ・長期目標・短期目標【特養・老健・グループホーム対応】

介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどの施設で作成されるケアプランには、よく使われる定番のニーズ・目標があります。

本記事では、計画作成者の支援に役立つよう、項目別にニーズ、長期目標、短期目標の文言例を一覧表にまとめました。

施設入所者に共通してみられる課題に対して、すぐに使える定番の文例を探したいときにお役立てください。

施設ケアプランあるあるニーズ・長期目標・短期目標の文言例文集

ケア項目 ニーズの例 長期目標の例 短期目標の例
入浴支援 ・週に数回は気持ちよく入浴したい
・皮膚の清潔を保ちたい
・自分のペースで入浴したい
・入浴を通じて清潔保持とリラックスができる生活を送る ・職員の介助で週2回以上の入浴が実施できる
・入浴時に不安や拒否がなくなる
排泄支援 ・トイレで排泄したい
・失禁が恥ずかしいと感じている
・便秘や下痢がつらい
・安心して排泄ができ、排泄パターンが安定する ・日中はトイレ誘導により排泄できるようになる
・排便が週3回以上ある状態を維持できる
食事支援 ・食事を楽しみたい
・むせずに安全に食べたい
・食が細くなり栄養が心配
・安全に食事を摂取し、栄養状態を維持できる ・1日3食を8割以上摂取できる
・むせ込みが減り、食事中の咳が改善される
移動・歩行支援 ・できるだけ自分で歩きたい
・転倒が怖い
・外に出たいが不安がある
・自立度に応じた安全な移動が継続できる ・歩行器を使用し、居室から食堂まで移動できる
・転倒せず1ヶ月を過ごせる
認知機能・BPSD ・環境が変わって不安を感じている
・怒りっぽくなってきた
・自分の居場所がわからなくなることがある
・安心して穏やかに施設生活を送れるようになる ・不安訴えが週1回以下に減少する
・落ち着いた時間が増え、表情に笑顔がみられる
服薬支援 ・薬の管理ができなくなってきた
・薬を飲み忘れる
・副作用が心配で服薬を拒否する
・正しく服薬でき、健康状態を維持できる ・朝・夕の服薬が職員の声かけで定着する
・服薬拒否が週1回以下になる
清潔保持 ・歯磨きを忘れてしまう
・爪が伸びても気づかない
・身だしなみに関心が薄れている
・清潔が保たれ、整容が整った生活ができる ・週3回以上の洗顔と整髪を実施できる
・月1回の爪切りを拒否なく受けられる
口腔ケア ・口の中が気持ち悪い
・口臭が気になる
・虫歯や義歯の不快感がある
・口腔内が清潔に保たれ、口腔疾患を予防できる ・毎食後の歯磨き・口腔ケアを自分または介助で実施できる
・口腔乾燥が改善する
睡眠・休養 ・夜に何度も目が覚める
・昼夜逆転してしまう
・寝付きが悪い
・夜間の睡眠が安定し、日中も活動的に過ごせる ・夜間の覚醒が1回以下に減少する
・昼寝時間が30分以内で調整できる
レクリエーション・活動 ・日中の時間を有意義に過ごしたい
・他人と関わりたい
・趣味活動を続けたい
・活動を通じて生活にハリと楽しみを持てるようになる ・週2回以上のレクに参加できる
・参加時に笑顔や会話が見られる
家族との関係維持 ・家族と会いたい
・手紙を書きたい
・家族が来るか心配している
・家族との交流が継続し、安心感を得られる ・月2回の面会や連絡が取れる
・面会後に安心した様子がみられる
健康管理(疾患・痛みの対応) ・持病の管理を継続し、悪化を防ぎたい
・疾患に関して医療的なケアを受けたい
・痛みをできるだけ和らげて日常を過ごしたい
・持病や症状が安定し、安心して日常生活を送れるようになる
・医療職との連携により、健康状態が維持される
・痛みによる苦痛が軽減し、穏やかに生活できる
・定期的なバイタル測定で異常の早期発見ができる
・医師の指示に基づく服薬・処置が適切に実施される
・痛みがある際に「痛い」と伝えることができ、緩和処置によりQOLが改善する
終末期ケア ・最期まで苦しまずに過ごしたい
・延命処置は望まない
・家族と穏やかに過ごしたい
・本人の意向を尊重し、穏やかな看取りができる ・意思確認やACPの記録が家族と共有される
・疼痛管理が適切に実施され、苦痛が緩和される
コミュニケーション・聴力への対応 ・耳が遠くなり会話が聞き取りにくい
・うまく言葉が出てこない
・筆談や補聴器を使えばなんとか意思疎通できる
・コミュニケーション手段が確保され、意思が適切に伝わる状況が維持できる ・補聴器の使用や筆談・ジェスチャーを活用し日常的なコミュニケーションが取れるようになる
・職員が傾聴の姿勢で接し本人が安心して意思表示できる場面が増える
転倒・骨折予防 ・転倒して骨折した経験があり再転倒が心配
・ふらつきがあり移動時に不安定な場面がある
・夜間トイレへの移動が特に危険
・転倒・骨折を予防しながら安全な施設生活が継続できる ・夜間はセンサーマットや離床センサーで見守り体制を強化する
・歩行訓練と環境整備(手すり・段差解消等)により転倒リスクを軽減する
・本人に転倒への注意喚起を継続し安全行動が習慣化する

施設種別ごとの文言のポイントと文例

同じ「施設ケアプラン」でも、特養・老健・グループホームでは施設の役割が異なるため、目標の文言の重心が変わります。施設種別ごとのポイントと文例をまとめました。

特別養護老人ホーム(特養)の文言例

特養は「生活の場」です。機能回復よりも、その人らしい暮らしの継続・安楽・尊厳に重心を置いた文言が中心になります。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
体の力が弱ってきたが、自分のペースで穏やかに生活したい 本人のペースが尊重された生活リズムで、穏やかに施設での生活が続けられる 朝の起床時間・食事の席など本人の好みに合わせた日課で過ごすことができる
長く暮らした自宅を離れたが、ここでも自分の楽しみを持って過ごしたい 施設での生活に楽しみや役割が定着し、本人らしい生活が送れるようになる 好きな趣味活動(歌・手芸等)に週1回以上参加できる
最期までこの施設で、苦痛なく過ごしたい 安楽な状態が保たれ、本人・家族が望む形で施設での生活が継続できる 痛みや不快の訴えを毎日確認し、症状があれば速やかに看護職員に報告・対応できる

介護老人保健施設(老健)の文言例

老健は「在宅復帰・在宅支援」が役割です。リハビリと退所後の生活を見据えた文言がポイントになります。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
リハビリを頑張って、自宅に帰れるようになりたい 在宅生活に必要な動作が安定し、自宅へ退所できるようになる 理学療法士によるリハビリを週○回受け、手すりを使ってトイレまで安全に移動できる
家に帰ったときのために、家事の動作も練習しておきたい 退所後の生活動作に自信がつき、自宅での生活がイメージできるようになる 作業療法の中で調理・洗濯などの生活動作訓練に取り組むことができる
自宅退所に向けて、家族にも介助のコツを知ってもらいたい 家族が必要な介助方法を習得し、安心して在宅生活へ移行できるようになる 面会時・退所前指導で家族が移乗介助の方法を確認し、実践できる

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)の文言例

グループホームは「認知症ケアと共同生活」が軸です。残存機能を活かした役割づくりと、なじみの関係の中での安心を文言に織り込みます。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
自分にできる家事を続けながら、みんなと一緒に暮らしたい 本人の得意な役割が生活の中に定着し、いきいきと共同生活が送れるようになる 洗濯物たたみ・食器拭きなど本人ができる家事を毎日の日課として続けられる
物忘れが進んでも、なじみの職員や仲間と安心して過ごしたい なじみの関係の中で不安なく、穏やかに生活が継続できるようになる 不安な様子が見られた際に、なじみの職員が個別に関わり落ち着いて過ごせる
体を動かす機会を保ち、寝たきりにならずに生活したい 生活の中での活動量が維持され、身体機能の低下を防ぎながら生活できるようになる 毎日の散歩・体操に参加し、歩行機能を維持できる

施設ケアプラン「総合的な援助の方針」の文言例

施設ケアプランの第1表「総合的な援助の方針」の文言例です。施設では多職種(介護・看護・リハビリ・栄養・相談員)の共通方針であることが伝わる書き方がポイントです。

  • ご本人の「自分のことはできるだけ自分でしたい」という思いを尊重し、多職種が残存機能を活かす関わりを統一して行い、その人らしい生活の継続を支援します。転倒リスクがあるため、移動時の見守りを徹底し、安全と自立の両立を図ります。
  • 認知症による不安や混乱が最小限になるよう、なじみの職員による声かけと落ち着ける環境づくりを行い、ご本人のペースで穏やかに生活していただけるよう支援します。ご家族との面会の機会を大切にし、様子を定期的にお伝えします。
  • 在宅復帰に向け、リハビリテーション・生活動作訓練・家族指導を計画的に行い、退所後の生活環境の調整を含めて多職種で支援します。

より多くの方針文例はケアプラン第1表「総合的な援助の方針」文例集【疾患別・状態別】をご覧ください。

テーマ別の文例を探す

排泄・入浴・食事・看取りなどテーマ別の施設ケアプラン文例は、施設ケアプランのニーズ・長期目標・短期目標の例文集【テーマ別まとめ】から各記事に飛べます。担当ケースのテーマが決まっている場合はこちらが早いです。

まとめ

施設ケアプランの作成は、利用者一人ひとりの生活や想いに寄り添う大切な仕事です。とはいえ、日々の業務の中で時間に追われる中では、文言に迷うことも多いものです。本記事では、介護老人保健施設や特別養護老人ホームなどの現場で“よくあるニーズ”をもとに、具体的な長期目標・短期目標の文例を多数ご紹介しました。

どの文言も、ケアの基本方針や本人の意向に沿って柔軟にアレンジしながら活用していただければ幸いです。

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