初回(新規)のサービス担当者会議の進め方|流れ・確認事項・第4表と支援経過記録の文例

初回(新規利用開始時)のサービス担当者会議は、これから始まる支援の土台をつくる大切な場です。契約・アセスメント・原案作成・会議・交付という一連の流れの中でどこに位置づくのか、当日は何を確認すべきか、初回ならではの注意点をまとめました。

・初めて新規ケースを担当する新人ケアマネの方へ
・初回の流れと必要書類を一度整理しておきたい方へ

初回の担当者会議はいつ開催する?

サービス担当者会議は、サービスの利用開始前に開催するのが原則です。会議で担当者の専門的意見を聴き、その内容を反映したケアプランについて本人・家族の同意を得たうえで、サービスを開始する流れになります。

現実には「明日から訪問介護に入ってほしい」といった急ぎのケースもあります。その場合も、サービス開始と同時期には開催し、やむを得ず遅れた場合は理由を支援経過記録に残すことが重要です。開催がないままサービスが継続していると、運営基準減算の対象となるおそれがあります。

新規ケースの流れと会議の位置づけ

順番 やること ポイント
相談受付・インテーク(初回面談) 相談経路、困りごと、認定状況を確認する
契約(重要事項説明・契約書・個人情報同意) ケアプラン作成に着手する前に締結する
アセスメント(課題分析) 必ず居宅を訪問し本人・家族と面接する。課題分析標準項目に沿って実施
ケアプラン原案の作成 第1表・第2表・第3表を作成。サービス事業所へ受け入れの打診も行う
サービス担当者会議の開催 原案を示し、各担当者から専門的意見を聴く
ケアプランの修正・確定 会議で出た意見を反映する
本人・家族への説明と同意(署名) サービス開始前に行う。同意日の順序に注意
各サービス事業所へ交付 交付日・方法を記録に残す
サービス開始・初回モニタリング 開始直後は特に丁寧に状況を確認する

インテークの進め方はケアマネのインテーク(初回面談)の進め方と記録の書き方、アセスメントはケアマネのアセスメント(課題分析)の書き方と記入例をご覧ください。

初回の会議で必ず確認したい5つのこと

初回は情報量が多く、あれもこれもと話が広がりがちです。次の5点を軸に組み立てると、必要な合意が得られます。

確認すること なぜ必要か 司会の問いかけ例
①本人・家族の意向 すべての支援の出発点。初回で共有しておくと以後の判断軸になる 「これからどんな生活を送りたいとお考えですか」
②ニーズと目標への合意 各事業所が同じ方向を向くために不可欠 「この目標は、実際の支援の中で現実的でしょうか」
③役割分担 初回は「誰が何をするか」が未確定。曖昧なまま始めると抜けが生じる 「入浴は○○様、掃除は△△様という分担でよろしいでしょうか」
④リスクと緊急時の対応 転倒・急変時に誰にどう連絡するかを最初に決めておく 「体調の急変時は、どちらにご連絡すればよいでしょうか」
⑤情報共有の方法 連絡ノート・電話・報告書など、やり取りの手段を統一する 「日々の様子は、どのような方法で共有しましょうか」

初回ならではの注意点

本人・家族の緊張に配慮する

初回は、本人にとって知らない専門職が何人も自宅に集まる場面です。人数の多さに圧倒され、言いたいことが言えないまま終わってしまうことも少なくありません。

・事前訪問で「当日は何人くらい来るのか」を伝えておく
・冒頭で「皆さん○○様を支えるチームです」と説明する
・専門用語を避け、意見を求めるときは本人にも分かる言葉に言い換える
・本人が話しやすい席の配置にする(ケアマネが正面ではなく斜め横に座るなど)

初対面同士の関係づくりの場でもある

初回は事業所同士も初対面のことが多く、この場での関係づくりが以後の連携の質を左右します。自己紹介の時間を省かず、それぞれの役割が本人・家族にも伝わるように促しましょう。

暫定ケアプランの場合

認定申請中でサービスを先行して利用する「暫定ケアプラン」の場合も、担当者会議は必要です。認定結果が出た後、要介護度が想定と異なればプランの見直しと再度の会議(または照会)が必要になります。暫定である旨と、結果が出た後の対応方針を会議で共有しておきましょう。

初回加算との関係

居宅介護支援の初回加算は、新規に居宅サービス計画を作成する場合等に算定できるものです。算定にあたっては、一連の業務(アセスメント・担当者会議・交付)を適切に実施し、記録として残しておくことが前提となります。要件の詳細は最新の告示・通知および保険者の解釈をご確認ください。

初回の第4表(担当者会議の要点)の書き方

初回の第4表では、次の点が読み取れるように記載します。

検討した項目:ケアプラン原案の内容(ニーズ・目標・サービス内容)、役割分担、緊急時対応
検討内容:本人・家族の意向と、各担当者からの専門的意見を分けて具体的に書く
結論:原案のどこをどう修正して確定したのか、決定事項を明記する
残された課題:この場で決めきれなかったこと、次回までに確認することを書く

「特になし」「原案どおり」といった記載だけでは、専門的意見を聴取した事実が読み取れず、指摘の対象になりやすい点に注意しましょう。具体的な記載例はサービス担当者会議の要点(第4表)文例集【新規・認定更新】にまとめています。

初回の支援経過記録の文例

場面 支援経過記録の文例
会議の日程調整 ○月○日、サービス担当者会議の開催に向け、関係機関(○○ヘルパー事業所・○○デイサービス・○○福祉用具)へ日程調整の連絡を行った。主治医○○医院へは出席が困難とのことのため、照会書を送付することとした。○月○日○時より自宅にて開催予定。
会議当日 ○月○日、本人宅にて初回のサービス担当者会議を開催した。出席者:本人、長女、担当CM、訪問介護サービス提供責任者(○○事業所)、通所介護生活相談員(○○デイ)、福祉用具専門相談員(○○)。本人より「転ばずに自分でトイレに行けるようになりたい」との意向を確認。各担当者より専門的意見を聴取し、ケアプラン原案について合意を得た。手すりの設置箇所については後日、福祉用具専門相談員が自宅を確認のうえ決定することとした。詳細は第4表に記録。
説明・同意 ○月○日、確定した居宅サービス計画書(第1表・第2表・第3表)について、本人・長女に内容を説明した。ニーズ・目標・サービス内容について理解・同意を得られ、署名を受領した。写しを本人へ交付した。
事業所への交付 ○月○日、確定した居宅サービス計画書を、○○ヘルパー事業所(手渡し)、○○デイサービス(FAX送信後、原本を郵送)、○○福祉用具(手渡し)へ交付した。
サービス開始後の確認 ○月○日、サービス利用開始後の状況確認のため電話。本人より「ヘルパーさんにも慣れてきた」との発言あり。長女からも特に問題ないとの報告を受けた。次回訪問時にモニタリングを実施予定。

支援経過記録の書き方はケアマネの支援経過記録の書き方と場面別文例集もご覧ください。

初回の会議でよくある失敗と対策

よくある失敗 対策
サービスが始まってから会議を開催した 原則は利用開始前。急ぎの場合も同時期に開催し、遅れた理由を支援経過に記録する
同意の日付がサービス開始日より後になっていた 説明・同意 → 交付 → サービス開始の順序を守り、日付の整合を確認する
ケアマネが説明ばかりして、本人が一言も話さずに終わった 最初に本人の意向を聞く時間を必ず設ける。事前訪問で意向を聞いておく
役割分担が曖昧なままサービスが始まった 「誰が・何を・いつ」まで会議で確認し、第4表の結論欄に明記する
第4表が「原案どおり了承」だけで終わっている 各担当者の発言を具体的に記載し、専門的意見を聴取した事実を残す
一部の事業所を招集し忘れた ケアプランに位置づけた全事業所を一覧化してから招集する

参加者の決め方と準備の抜け漏れ防止にはサービス担当者会議のメンバーの決め方と事前準備シート、当日の進行には司会進行セリフ例文集をご活用ください。

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