
骨折のある利用者に関するケアプランのニーズ・長期目標・短期目標の例文・文言集です。
居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成する際に直面する様々な課題を解決するためのお手伝いをします。
・骨折に関するニーズや目標の文例や記入例を見ながら、ケアプランや計画書作成をスムーズに進めたい方へ
・監査や実地指導での指摘を避け、安心して業務に取り組みたい方へ
高齢者の骨折は、要介護状態への移行・寝たきりのきっかけになることも多い重大な問題です。特に大腿骨頸部骨折・転子部骨折は手術後のリハビリが長期にわたることが多く、在宅復帰後もケアプランで丁寧に支援していく必要があります。圧迫骨折(脊椎)は腰背部痛が慢性化することも多く、生活の質に大きく影響します。また橈骨遠位端骨折などの上肢骨折は日常生活動作に支障をきたします。骨折の部位・術後の状態・回復段階に応じて文言をアレンジしてお使いください。
骨折に関するニーズ・長期目標・短期目標例文一覧
骨折のケアプランを作成するときは、「骨折の部位・術後の経過」「現在の荷重・可動域の制限」「回復目標と現実的な到達点」「再骨折予防への取り組み」を軸にニーズを整理することが重要です。回復段階によって目標の高さが変わるため、術後の経過と主治医の方針を確認したうえで文言を選んでください。
大腿骨骨折(頸部・転子部)後のリハビリに関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 大腿骨骨折の手術後にリハビリ病院から退院してきたため、引き続きリハビリを続けながら歩けるよう回復したい | 骨折前の歩行能力を取り戻し、安心して自宅生活が送れるようになる | 訪問リハビリを週○回継続し、歩行器または杖を使って○メートルの歩行が安定してできるようになる |
| 大腿骨を骨折して手術を受けたが、まだ歩行が不安定で転倒が心配なため、安全に歩けるようになりたい | 歩行が安定し、転倒なく日常生活が安全に送れるようになる | 理学療法士の指導のもと荷重訓練・歩行訓練を週○回継続し、手すりを使って室内を安定して歩けるようになる |
| 大腿骨骨折後に車いす生活になってしまったが、できれば歩けるようになって自宅での生活を取り戻したい | 歩行能力が回復し、歩行補助具を使いながら自宅内での移動が自立してできるようになる | 理学療法士によるリハビリを週○回受け、平行棒から歩行器への移行が図れるようになる |
| 大腿骨骨折後のリハビリで体力が戻ってきたが、まだ階段や段差が不安なため安全に外出できるようになりたい | 段差・階段を安全に昇降できるようになり、外出・通院が自立して行えるようになる | 段差昇降訓練を週○回継続し、玄関の段差を手すりを使って安全に越えられるようになる |
| 大腿骨骨折後に筋力が落ち日常生活動作全般に介助が必要になったため、少しずつ自分でできることを増やしたい | 日常生活動作の自立度が骨折前の状態に近づき、介助量が軽減された生活が送れるようになる | 訪問リハビリ・通所リハビリを週○回利用し、更衣・排泄・入浴のいずれか一つが自立してできるようになる |
| 大腿骨骨折の再手術(人工骨頭置換術)後のため、脱臼に注意しながらリハビリを進めたい | 脱臼を起こすことなく歩行能力が回復し、安全に在宅生活が続けられるようになる | 禁忌肢位を守りながら理学療法士の指導のもとリハビリを週○回継続し、安全な動作方法が習得できるようになる |
圧迫骨折(脊椎)後の生活に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 圧迫骨折で腰背部の痛みが続いており日常生活動作がつらいため、痛みをコントロールしながら生活したい | 疼痛が管理され、日常生活動作が安全に行えるようになる | 主治医の指示のもとコルセットの適切な使用と疼痛管理を行い、痛みを抑えながら日常動作が継続できるようになる |
| 圧迫骨折を繰り返しており再骨折が心配なため、骨折しない生活習慣を整えながら生活したい | 再圧迫骨折を起こすことなく、骨粗しょう症の治療を継続しながら安全に生活できるようになる | 骨粗しょう症の治療薬を継続服薬し、転倒予防の環境整備も並行して行うことができるようになる |
| 圧迫骨折後に起き上がりや寝返りが痛くて難しくなったため、安全にベッド上での動作ができるようになりたい | 起き上がり・寝返りが安全にできるようになり、ベッドからの自立した動作が維持できるようになる | 介護ベッドの背上げ機能と起き上がり補助手すりを活用し、痛みを最小限にした起き上がり方法が習得できるようになる |
| 圧迫骨折の痛みで外出が減り閉じこもりがちになっているため、痛みと付き合いながら活動を続けたい | 疼痛管理を継続しながら活動量が維持され、閉じこもりを予防しながら生活が続けられるようになる | 痛みが少ない時間帯を活用して週○回の外出または通所サービスへの参加が継続できるようになる |
| 圧迫骨折で身長が縮み姿勢が悪くなってきたため、これ以上の変形を防ぎながら生活したい | 脊椎の変形の進行が抑制され、現在の姿勢・機能を維持しながら生活が続けられるようになる | 理学療法士の指導のもと体幹筋強化訓練を週○回継続し、姿勢の悪化を防ぐことができるようになる |
| 腰の痛みで長時間座っていられないため、座位保持の方法を工夫しながら生活の質を保ちたい | 座位の工夫により長時間の座位が可能となり、食事・趣味など生活の質が維持できるようになる | クッション・椅子の高さ調整など座位の工夫を取り入れ、食事・テレビ視聴などが痛みなく継続できるようになる |
上肢骨折(橈骨・上腕骨など)後のリハビリに関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 転倒で手首を骨折してしまい日常生活動作全般が難しくなったため、手の機能を回復させたい | 手首・上肢の機能が回復し、日常生活動作が自立してできるようになる | 作業療法士の指導のもと手首の可動域訓練・筋力訓練を週○回継続し、食事・更衣が自力でできるようになる |
| 上腕骨を骨折して腕が上がらなくなってしまったため、着替えや整容ができるよう回復させたい | 上肢の可動域・筋力が回復し、更衣・整容動作が自立してできるようになる | 作業療法士による上肢リハビリを週○回継続し、肩・肘の可動域が改善されて日常動作が行えるようになる |
| 利き手を骨折してしまい食事・書字などができなくなっているため、回復するまでの生活を支えてほしい | 骨折が回復するまでの間、必要な支援を受けながら日常生活が継続できるようになる | 骨折回復期間中は訪問介護による食事・更衣の介助を受け、日常生活が支障なく続けられるようになる |
骨折後の安全確保・転倒予防に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 骨折後から歩くことへの恐怖心があり活動が減ってしまっているため、自信を取り戻しながら歩けるようになりたい | 転倒への恐怖心が軽減し、安心して歩行・活動ができるようになる | 安全な環境でのリハビリを重ね、見守りのもとで室内を歩けるようになり自信が回復できるようになる |
| 骨折後に自宅内の危険な環境が気になるため、転倒しない安全な住環境を整えたい | 住環境が整備され、再転倒・再骨折なく安全に自宅生活が続けられるようになる | 手すりの設置・段差の解消・滑り止めマットの導入など住宅改修が○月中に完了できるようになる |
| 骨折を繰り返しており再び骨折しないか不安なため、転倒・骨折予防に取り組みながら生活したい | 再骨折を起こすことなく安全に在宅生活が継続できるようになる | 筋力訓練・住環境整備・骨粗しょう症治療を組み合わせ、再骨折リスクが軽減できる体制を整えることができるようになる |
| 夜間のトイレへの移動で転倒して骨折することが心配なため、夜間も安全に移動できるようにしたい | 夜間の移動環境が整い、転倒・骨折なく安全に夜間排泄が継続できるようになる | センサーライトの設置・ポータブルトイレの導入・夜間用の手すり確認により夜間移動の安全が確保できるようになる |
| 骨折後に使うようになった歩行補助具の使い方が不安なため、正しく安全に使えるようになりたい | 歩行補助具を正しく使用して安全な歩行が継続でき、転倒リスクが軽減された生活が送れるようになる | 理学療法士の指導のもと歩行補助具の正しい使用方法を習得し、安全に使えるようになる |
骨折後の疼痛管理に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 骨折後の痛みが続いており日常生活に支障があるため、痛みをコントロールしながら生活したい | 疼痛が管理され、日常生活動作が安全に継続できるようになる | 主治医への疼痛状況の定期的な報告を行い、鎮痛薬の適切な使用と痛みの軽減が図れるようになる |
| 痛みが怖くてリハビリに前向きになれないため、痛みへの不安を和らげながらリハビリを続けたい | 疼痛管理と適切なリハビリの組み合わせにより、痛みへの不安が軽減されてリハビリが継続できるようになる | 理学療法士・看護師から痛みへの対処方法について説明を受け、安心してリハビリに取り組めるようになる |
| 天気や気温の変化で骨折部位が痛むことがあるため、痛みの変動に対処しながら生活したい | 疼痛の変動に適切に対処できるようになり、日常生活が安定して継続できるようになる | 痛みが強い日の活動量の調整方法を把握し、無理せず安全に過ごせるようになる |
骨折後のADL・日常生活動作の介助に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 骨折後に入浴が一人ではできなくなってしまったため、安全に入浴しながら清潔を保ちたい | 骨折が回復するにつれ入浴の自立度が向上し、清潔が維持できるようになる | 入浴補助用具(浴槽台・シャワーチェア)の導入と訪問介護の入浴介助を組み合わせ、週○回安全に入浴できるようになる |
| 骨折後に排泄動作が難しくなり失禁することが増えてしまったため、安心して排泄できる方法を整えたい | 排泄環境が整い、失禁が軽減されながら安心して日常生活が送れるようになる | ポータブルトイレの導入・手すりの設置・適切なパッドの使用により、失禁回数が軽減できるようになる |
| 骨折後の介助で家族の腰への負担が大きくなっているため、福祉用具を使いながら安全に介助できる体制を整えたい | 福祉用具の活用により安全な介助が継続でき、家族・本人ともに安心して生活が続けられるようになる | スライディングボード・移乗介助用具の導入により、移乗時の家族の身体的負担が軽減できるようになる |
| 骨折後に体全体が弱くなっており食事・更衣・整容など全般的に介助が必要なため、少しずつ自立を取り戻したい | 骨折からの回復に伴いADLの自立度が段階的に向上し、介助量が減った生活が送れるようになる | 訪問リハビリ・作業療法士の指導のもとADL訓練を週○回継続し、毎月一つずつ自立できる動作が増えるようになる |
骨粗しょう症・再骨折予防に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 骨粗しょう症があり骨が弱いため、骨密度を維持しながら再骨折を予防したい | 骨粗しょう症の治療が継続され、再骨折なく安全に在宅生活が続けられるようになる | 骨粗しょう症の治療薬を継続服薬し、定期的な骨密度検査を受けられる体制が整えられるようになる |
| 骨折後に骨を強くするための食事・運動・薬の管理をしっかり行いながら、再骨折を防ぎたい | 骨密度が維持・改善され、再骨折リスクが軽減された安全な生活が続けられるようになる | 服薬・カルシウム・ビタミンDの摂取・荷重運動を組み合わせた骨折予防の取り組みが継続できるようになる |
| 骨折を3回繰り返しており再骨折が非常に心配なため、転倒・骨折予防を最優先に取り組みながら生活したい | 再骨折を起こすことなく、安全な環境のもとで在宅生活が継続できるようになる | 住環境整備・筋力維持訓練・骨粗しょう症治療の3本柱を継続し、転倒リスクを最小限に抑えることができるようになる |
施設入所中の骨折後ケアに関するニーズ・目標(施設ケアプラン向け)
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 施設内で転倒して大腿骨を骨折・手術後に帰所したため、再び施設での生活が安定して送れるようになりたい | 骨折からの回復が進み、施設内での生活動作が再び自立してできるようになる | 理学療法士によるリハビリを週○回継続し、施設内での移動が歩行器を使って安全に行えるようになる |
| 施設内での転倒・再骨折を繰り返さないよう、安全に生活できる環境と体制を整えてほしい | 転倒・再骨折なく安全に施設生活が続けられるようになる | 施設内の動線の安全確認・歩行補助具の適切な使用・職員の見守り体制を整え、転倒リスクが軽減できるようになる |
| 骨折後の安静で廃用が進んでいるが、できる限り体を動かしながら回復を目指したい | 廃用症候群の進行が抑制され、骨折からの回復と機能維持が図れるようになる | 骨折部位への負担を避けながら上肢・体幹の訓練と定期的な離床を継続し、廃用を最小限に抑えることができるようになる |
骨折部位別の注意点
大腿骨骨折の場合
術後の禁忌肢位(股関節の過度な屈曲・内旋・内転)を全関係者で共有することが重要です。脱臼リスクがあるため、ケアプランへの位置づけとともに訪問介護・訪問看護との情報共有を密に行いましょう。
圧迫骨折の場合
コルセットの適切な使用・体幹への負担を軽減した動作方法の習得が重要です。痛みが長期化することも多く、疼痛管理と活動量のバランスを意識した目標設定が必要です。
橈骨骨折の場合
利き手の場合は日常生活動作全般への影響が大きく、回復期間中の代替手段・非利き手での動作訓練も検討しましょう。骨折後の浮腫・指の拘縮予防のための手指運動も重要です。
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