看取り・ターミナルケアのケアプラン文例|ニーズ・長期目標・短期目標と第2表の記入例【在宅看取り】

看取り・ターミナルケアに関するケアプランのニーズ・長期目標・短期目標の例文・文言集です。

居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成する際に直面する様々な課題を解決するためのお手伝いをします。

・看取り・ターミナルケアに関するニーズや目標の文例や記入例を見ながら、ケアプランや計画書作成をスムーズに進めたい方へ
・監査や実地指導での指摘を避け、安心して業務に取り組みたい方へ

在宅看取りを希望する利用者・家族が増えるなか、ターミナルケアに関するケアプランを作成する機会も増えています。本人の意思を尊重しながら、残された時間をその人らしく過ごせるよう支援することが、ターミナルケアの根本です。疼痛緩和・精神的安定・家族への支援・緊急時対応など、多面的な視点でニーズを拾い上げることが求められます。利用者・家族の意向や状態に合わせて文言をアレンジしてお使いください。

看取り・ターミナルケアに関するニーズ・長期目標・短期目標例文一覧

看取り・ターミナルケアのケアプランを作成するときは、「本人がどのように最期を迎えたいか」「家族はどのような支援を必要としているか」を丁寧に確認したうえでニーズを整理することが最も重要です。目標の期間設定は短めにし、状態の変化に合わせて柔軟に見直すことを意識して文言をご活用ください。

在宅での最期を望む本人の意思尊重に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
住み慣れた自宅で最期まで生活したいという本人の意思を尊重しながら、在宅生活を続けたい 本人の意思が尊重され、住み慣れた自宅で穏やかに過ごせるようになる 訪問看護・訪問介護の支援体制を整え、自宅での生活が安心して継続できるようになる
病院ではなく自宅で家族に囲まれて最期を迎えたいという希望があるため、その環境を整えたい 家族とともに自宅で穏やかな最期を迎えられるよう、必要な支援体制が整う 主治医・訪問看護師・訪問介護が連携し、自宅での看取りに対応できる体制を整えることができる
残された時間をできる限りその人らしく過ごしたいため、本人の希望に沿った生活を支えたい 本人の望む生活スタイルが尊重され、その人らしく穏やかな日々が続けられるようになる 本人の好きなこと・大切にしていることを把握し、できる範囲で希望が叶えられるよう支援できる
自分の気持ちや希望を家族や支援者にきちんと伝えながら、最期まで自分らしくいたい 本人の意思が関係者に伝わり、尊厳ある最期が迎えられるようになる 本人の意向をケアプランに反映し、関係者間で共有できる体制を整えることができる

疼痛緩和・苦痛の軽減に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
痛みや苦しさができる限りないよう、緩和ケアを受けながら穏やかに過ごしたい 痛みや苦痛が緩和され、穏やかな状態で生活が続けられるようになる 訪問看護師による疼痛評価と主治医への報告を定期的に行い、疼痛管理が適切に図れるようになる
痛み止めの使い方がわからず我慢してしまうことがあるため、適切に使いながら楽に過ごしたい 疼痛管理が適切に行われ、我慢することなく穏やかな時間が過ごせるようになる 主治医・訪問看護師から疼痛薬の使い方について説明を受け、必要なときに適切に使用できるようになる
呼吸苦や倦怠感があり日常生活がつらいため、症状を和らげながら穏やかに過ごしたい 呼吸苦・倦怠感などの症状が緩和され、楽な状態で穏やかな生活が続けられるようになる 訪問看護師による症状観察と主治医への報告を継続し、症状コントロールが適切に図れるようになる
床ずれや口腔内の不快感がないよう、身体の苦痛を最小限にしながら過ごしたい 身体的苦痛が最小限に抑えられ、安楽な状態で最期まで過ごせるようになる 訪問看護・訪問介護による褥瘡予防・口腔ケアを定期的に受け、身体的不快感が軽減できるようになる

精神的安定・心の安らぎに関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
死への不安や恐怖感があり精神的につらいため、気持ちを穏やかに保ちながら過ごしたい 精神的な安定が保たれ、穏やかな気持ちで残された時間を過ごせるようになる 訪問看護師や支援者による傾聴の機会を定期的に設け、気持ちを表現できる場が確保できるようになる
大切な人と過ごす時間を大切にしながら、穏やかな気持ちで日々を送りたい 家族や大切な人との時間が確保され、心穏やかに残された日々を過ごせるようになる 訪問介護・訪問看護がケアを担うことで、家族が傍にいられる時間が確保できるようになる
これまでの人生を振り返りながら、後悔のない最期を迎えたい 本人が自分の人生に満足感を持ちながら、穏やかに最期を迎えられるようになる 支援者が本人の話に耳を傾け、人生を振り返る機会が定期的に持てるようになる

家族への支援に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
家族が介護や看取りへの不安を抱えているため、専門職のサポートを受けながら看取りを支えたい 家族が必要な支援を受けながら、安心して看取りに臨める体制が整う 訪問看護師・ケアマネジャーから家族への説明・相談の機会を定期的に設け、家族の不安が軽減できるようになる
家族が介護の方法や今後の経過についてわからないことが多いため、正しく理解して関われるようにしたい 家族が今後の経過と対応方法を理解し、自信を持って看取りに関われるようになる 主治医・訪問看護師から今後の経過について丁寧な説明を受け、家族が疑問を解消できる機会を確保できる
介護負担が大きく家族が疲弊しているため、専門職との役割分担をしながら看取りを続けたい 専門職との適切な役割分担により家族の負担が軽減され、無理なく看取りが継続できるようになる 訪問看護・訪問介護の回数を増やし、家族が担う介護の範囲を明確にしながら負担を軽減できるようになる
看取り後の家族の悲嘆(グリーフ)が心配なため、看取り中から継続的なサポートを受けたい 看取りの過程から継続的な支援を受けることで、家族が悲嘆を乗り越えられるようになる 訪問看護師・ケアマネジャーが看取り後も家族への声かけや相談対応を継続できる体制を整える

緊急時・急変時対応に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
急変時にどう対応すればよいか家族が不安なため、緊急時の対応体制を整えながら在宅を続けたい 急変時の対応体制が整い、家族が落ち着いて対応できるようになる 急変時の連絡先・対応手順を関係者間で文書化して共有し、家族が迷わず行動できるようになる
夜間の急変が心配なため、夜間でも対応できる体制を整えながら在宅での看取りを続けたい 夜間の急変にも対応できる体制が整い、安心して在宅での看取りが継続できるようになる 夜間対応可能な訪問看護ステーションとの契約を行い、24時間連絡できる体制を整えることができる
本人・家族ともに救急搬送を望まないため、その意思を関係者全員で共有しながら在宅看取りを続けたい 本人・家族の意思が関係者間で共有され、希望通りの在宅看取りが実現できるようになる DNAR(心肺蘇生不実施)の意思確認を主治医と行い、関係する全支援者に周知できる体制を整える

第2表の記入例(そのまま使える形式)

看取り期のケアプラン第2表を、ニーズからサービス内容まで1セットで確認できる記入例です。ケースに合わせて文言を調整してお使いください。

ケース1:がん末期・独居の方

ニーズ 長期目標 短期目標 サービス内容(サービス種別)
痛みをできるだけ抑えて、最期まで自宅で過ごしたい 疼痛がコントロールされ、本人の望む自宅での生活が最期まで続けられる 痛みの状態を毎日確認し、増強時は速やかに医師に伝えて対応を受けられる 疼痛・症状の観察、服薬状況の確認、主治医への報告と指示に基づく対応(訪問看護・訪問診療)
一人でいる時間の不安を減らし、安心して毎日を過ごしたい 日々の支援体制により、不安が軽減された状態で在宅生活が継続できる 毎日いずれかの支援者の訪問があり、体調と困りごとを伝えることができる

ケース2:老衰・家族と同居の方

ニーズ 長期目標 短期目標 サービス内容(サービス種別)
食が細くなってきたが、口から食べる楽しみを最期まで大切にしたい 本人のペースで食事の楽しみが続けられ、穏やかに過ごせる 食べやすい形態・好みの食事を無理のない量で口にすることができる 食事形態の工夫の助言、摂取量・嚥下状態の観察(訪問看護・訪問介護)
家族が後悔のない看取りができるよう、心構えや対応を知っておきたい 家族が看取りの経過を理解し、安心して最期まで寄り添うことができる 今後起こりうる変化と対応について訪問看護師から説明を受け、緊急時の連絡方法を確認できる 家族への説明・精神的支援、緊急時連絡体制の確認(訪問看護・居宅介護支援)

第1表「総合的な援助の方針」の文例(看取り期)

看取り期の第1表は、本人・家族の意向と緊急時対応(主治医・訪問看護の連絡先、心肺蘇生に関する意向確認など)を明記するのがポイントです。

  • ご本人・ご家族の「最期まで自宅で過ごしたい」という意向を尊重し、医療と介護が連携して苦痛の緩和と安楽な生活を支援します。急変時は主治医(○○医院:000-000-0000)・訪問看護(○○ステーション:000-000-0000)に連絡し、事前に確認した意向に沿って対応します。
  • 痛みや不安が最小限になるよう症状の緩和を最優先とし、ご本人が望む過ごし方(好きな音楽を聴く、家族と過ごす時間)を大切にした支援を行います。
  • ご家族の身体的・精神的負担にも配慮し、レスパイトも含めた支援体制を整え、ご家族とともにご本人の穏やかな生活を支えます。

疾患別・状態別の方針文例はケアプラン第1表「総合的な援助の方針」文例集に多数掲載しています。

時期別の目標設定(安定期・終末期・臨死期)

看取り期は状態の変化が早く、目標も短いサイクルで見直しが必要です。時期ごとの目標の考え方を整理しました。

時期 目標設定の考え方 短期目標の文例
安定期(月単位の予後) 本人の望む生活・楽しみの維持を中心に据える 好きな食事や趣味の時間を持ちながら、穏やかに自宅で過ごすことができる
終末期(週単位の予後) 苦痛の緩和と安楽の確保に重点を移す 痛み・呼吸苦などの症状が緩和され、安楽な状態で過ごすことができる
臨死期(日単位の予後) 本人の安楽と家族の付き添い環境を最優先にする 家族に見守られながら、苦痛が最小限の状態で過ごすことができる

状態変化時のケアプラン変更手続きは「軽微な変更」で対応できる場合があります。詳しくはケアプランの軽微な変更で一連の業務が必要かをご覧ください。

家族支援・グリーフケアの文例

看取りのケアプランでは、家族もケアの対象です。介護負担の軽減と、死別への心の準備(予期悲嘆)への支援もニーズとして位置づけられます。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
看病を続ける家族の負担が大きいため、休息をとりながら最期まで寄り添いたい 家族の心身の負担が軽減され、後悔のない看取りができる 訪問介護・訪問看護の支援時間に家族が休息をとることができる
今後の変化への不安が大きいため、見通しを知って心の準備をしたい 家族が経過を理解し、不安が軽減された状態で本人を支えられる 訪問看護師から今後の見通しについて定期的に説明を受け、疑問を相談できる
介護と仕事の両立が難しくなってきたため、無理のない形で看取りに関わりたい 支援体制の調整により、家族が無理なく本人との時間を持てるようになる 平日日中のサービスを増やし、家族は夜間・週末に本人と過ごす時間を確保できる

家族の介護負担軽減の文例は家族介護負担軽減のニーズ・長期目標・短期目標の例文集にもまとめています。

看取りとは

看取りとは、医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがないと診断した上で、亡くなるまでの介護計画について患者と医療ケアチームで話し合い説明を受け同意し、介護を受けることです。

看取りの読み方は「みとり」です。

参考:看取りとは 死と看取り介護の課題と厚労省ガイドライン

 

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