
ケアマネジャーが新規利用者を担当する際に行うインテーク(初回面談)の進め方・確認すべき内容・記録の書き方を解説します。
「初回面談で何を確認すればいいかわからない」「インテークの記録をどう書けばいいか迷う」「実地指導で指摘されないためのポイントを知りたい」というケアマネの方に向けてまとめました。
・インテーク・初回面談の進め方を確認したいケアマネの方へ
・新任ケアマネとして初めてインテークに臨む方へ
インテークとは何か
インテーク(intake)とは、直訳すると「受け入れ」を意味し、ケアマネジメントにおける最初の関わりの場面を指します。新規に居宅介護支援を依頼された利用者・家族と初めて面談し、相談内容・基本情報・サービス利用の意向を把握する場面です。
インテークはケアマネジメントプロセスの出発点であり、ここで得た情報がその後のアセスメント・ケアプラン作成の基盤となります。インテークが適切に行われるかどうかが、その後の支援の質を大きく左右します。
インテークとアセスメントは混同されることがありますが、役割が異なります。インテークは「まず相談を受け、支援の開始を決定する場面」であり、アセスメントは「課題を多面的に分析しケアプランに結びつける場面」です。実務では両方を同日に行うことも多いですが、役割を意識しておくことが大切です。
インテークの目的
インテークには主に以下の4つの目的があります。
- 信頼関係の構築:利用者・家族と初めて会う場面として、安心感・信頼感を築くことが最優先です
- 基本情報の収集:氏名・住所・家族構成・主治医・緊急連絡先など基本的な情報を把握します
- ニーズの把握:何に困っているか・何を望んでいるかを聞き取ります
- サービス利用の意向確認:居宅介護支援を利用する意思があるか、何を求めているかを確認します
インテークの流れ
①事前準備
面談前に以下の情報を可能な範囲で収集しておきましょう。
- 紹介元(病院MSW・地域包括支援センター・民生委員等)からの事前情報
- 介護保険証・認定通知書の確認(FAXや電話で事前入手できる場合)
- 主治医・かかりつけ病院の情報
- 訪問の日時・場所の確認(自宅か病院か)
事前情報が少ない場合でも、訪問前に「何に困っているか・何を求めているか」という仮説を立てておくことで、面談の質が上がります。
②自己紹介・説明
面談の冒頭では必ず以下を行います。
- 事業所名・自分の名前・役職(ケアマネジャーであること)を名刺とともに伝える
- ケアマネジャーとは何をする人かを、利用者・家族にわかりやすく説明する
- 今日の面談の目的(どんな話をするか)を最初に伝える
- 重要事項説明書・個人情報の取り扱いについて説明し同意を得る(契約を進める場合)
③相談内容・困りごとの聴き取り
利用者・家族が何に困っているか、何を望んでいるかをじっくり聴きます。最初は「今どのようなことで困っていますか?」「どのような生活を送りたいですか?」といったオープンクエスチョンから入ると、本人の言葉で話してもらいやすくなります。
インテークで特に把握したい内容は以下の通りです。
| 確認項目 | 具体的に確認すること |
|---|---|
| 現在の困りごと | 生活の中で何が難しくなっているか・何に不安を感じているか |
| 本人の意向 | どのような生活を送りたいか・どこで生活したいか |
| 家族の意向 | 家族はどのような支援を望んでいるか・介護への関わり方 |
| 緊急度 | 今すぐ支援が必要な状況か・緊急対応が必要な課題はないか |
| 他機関との関わり | すでに他のサービスや相談機関と関わっているか |
④基本情報の収集
聴き取りと並行して、以下の基本情報を確認します。介護保険証を持参してもらうか、事前に用意してもらうようお願いしておくとスムーズです。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 介護保険関連 | 被保険者番号・要介護度・認定有効期間・前担当事業所(引き継ぎの場合) |
| 医療関連 | 主治医・かかりつけ病院・現在の治療内容・服薬状況・アレルギー |
| 家族・連絡先 | 家族構成・キーパーソン・緊急連絡先・家族の介護への関わり方 |
| 生活状況 | 住環境(持ち家か賃貸か・バリアフリーの状況)・日常生活の状況 |
| 経済状況 | 介護保険の負担割合・生活保護の有無(必要な場合のみ) |
⑤今後の方針の説明と合意
面談の終わりには以下を伝えます。
- 今後どのような流れでケアプランを作成するかを説明する
- 次回のアセスメント訪問の日程を調整する
- 緊急時の連絡先(事業所の電話番号・担当ケアマネの連絡先)を伝える
- 質問・不安があれば何でも相談してよいことを伝える
インテークのチェックリスト
初回面談前後に以下のチェックリストを活用しましょう。
【面談前の準備チェック】
- 紹介元から事前情報を収集したか
- 訪問日時・場所を確認・連絡したか
- 重要事項説明書・契約書・個人情報同意書を持参したか
- 名刺・事業所のパンフレットを準備したか
- アセスメントシート(メモ用)を持参したか
【面談中の確認チェック】
- 自己紹介・ケアマネジャーの役割説明を行ったか
- 重要事項説明・個人情報の同意を得たか
- 本人の意向を本人から直接聴き取ったか
- 介護保険証・認定通知書を確認したか
- 主治医・かかりつけ病院の情報を確認したか
- 緊急連絡先・キーパーソンを確認したか
- 今後の流れを説明し次回の日程を決めたか
【面談後の記録チェック】
- 訪問日時・面談内容を支援経過記録に記載したか
- 基本情報をアセスメントシートに記録したか
- 緊急対応が必要な課題がある場合はすぐに対応したか
- 紹介元へのお礼・報告連絡をしたか(必要な場合)
インテークの記録(支援経過)の書き方と文例
インテーク実施後は支援経過記録(第5表)に内容を記録します。以下の文例を参考にしてください。
【文例①:在宅での新規担当】
○月○日 新規相談のため利用者宅を訪問。本人・長男(キーパーソン)同席のもとインテークを実施した。介護保険証・認定通知書を確認(要介護○・有効期間○月○日まで)。本人より「足腰が弱くなって買い物が難しくなってきた。できる限り自宅で生活を続けたい」との意向が確認された。長男より「仕事で平日は支援が難しいため、専門的なサポートをお願いしたい」との発言あり。重要事項説明書・契約書の説明を行い同意・署名を得た。主治医は○○病院の○○先生(内科・月1回通院中)、服薬は高血圧の薬のみとのこと。次回アセスメント訪問を○月○日に設定した。
【文例②:退院前から担当開始するケース】
○月○日 ○○病院MSW○○氏より新規依頼の電話連絡あり。○○様(要介護○)が○月○日退院予定で、在宅サービスの調整を依頼されたとのこと。本日○時に病院を訪問し、本人・家族(長女)・病院MSWとインテークを実施。本人より「早く家に帰りたい」との強い意向を確認。退院後の生活課題として歩行不安定・服薬管理困難・家事全般が困難であることを病院より情報提供を受けた。退院前カンファレンスへの参加を○月○日に依頼された。退院に向けてケアプランの作成を急ぎ進める方針とする。
【文例③:認知症のある独居高齢者のケース(家族が遠方)】
○月○日 地域包括支援センター○○氏からの紹介で、○○様宅を訪問しインテークを実施。本人は認知症があり会話に一部混乱が見られたが、「一人でここに住んでいる。困ったことは特にない」との発言あり。長男(遠方在住)へ電話で連絡し状況確認。長男より「最近急に物忘れが増えて心配。一人では生活が難しくなっているのでは」との発言あり。自宅内は物が散乱しており転倒リスクが高い状況を確認。服薬管理が困難な状況も確認された。緊急性を考慮し、速やかにアセスメントを実施してサービス利用につなげる方針とする。
インテークでよくある失敗と対策
失敗①:本人ではなく家族からしか話を聴かない
認知症があっても、本人の意向をできる限り直接聴き取ることが重要です。「ご本人はどうお感じですか?」と本人に話しかける機会を意識して設けましょう。
失敗②:困りごとを聴く前に解決策の話をしてしまう
「それならデイサービスが良いですよ」と早期に結論を出すのは禁物です。まず「何に困っているか」「どうしたいか」を十分に聴いてから、支援の方向性を考えましょう。
失敗③:緊急対応が必要な状況を見落とす
インテーク時に「今夜の食事がない」「一人で転倒しているリスクがある」など緊急度の高い課題がある場合は、その日のうちに対応策を講じることが必要です。
失敗④:記録を後回しにして内容を忘れてしまう
訪問後はできるだけ速やかに(当日中に)支援経過記録を作成しましょう。時間が経つほど内容が曖昧になります。
あわせてご活用ください
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利用者負担軽減の仕組みの改定
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令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し
令和7年8月1日施行 多床室の室料負担


