
施設ケアプランの食事・栄養に関するニーズ・長期目標・短期目標の例文・文言集です。
特別養護老人ホーム・老人保健施設・グループホームなどの施設サービス計画書(第2表)を作成する際のお手伝いをします。
・食事・栄養に関するニーズや目標の文例や記入例を見ながら、施設ケアプランの作成をスムーズに進めたい方へ
・監査や実地指導での指摘を避け、安心して業務に取り組みたい方へ
施設での食事は、栄養補給という医療的な側面だけでなく、「食べる楽しみ」「季節を感じる」「他の入居者と一緒に食卓を囲む」という生活の質に直結する大切な時間です。しかし多くの入居者を抱える施設では、ケアプランの食事に関する文言が「食事介助を行う」という画一的なものになりやすい傾向があります。本人の食の好み・生活歴・食事への思いを反映させた個別性のある文言を意識してお使いください。介助レベル・食形態・疾患による食事制限など、状況に応じた文例をご活用ください。
居宅サービス計画(居宅ケアプラン)の食事・栄養に関する文例
居宅サービス計画(居宅ケアプラン)の食事・栄養に関する文例集はこちら。
食事・栄養・口腔衛生・口腔機能のニーズ・長期目標・短期目標の例文集
施設ケアプラン・食事・栄養に関するニーズ・長期目標・短期目標例文一覧
施設での食事ケアプランを作成するときは、「何を食べたいか・どう食べたいか」という本人の希望と、「安全に食べられるか・必要な栄養が摂れているか」という支援の視点を両立させることが重要です。本人の言葉に近いニーズ表現を心がけながら、具体的で達成可能な目標を設定してください。
全介助での食事に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 自分では食事ができないが、食べることが大好きなので毎食おいしく食べたい | 職員の介助により毎食必要な栄養が摂れ、食事を楽しみながら生活できるようになる | 毎食職員の介助のもとで食事が完食でき、栄養状態が維持できるようになる |
| 手が動かせないため食事介助を受けながら、好きなものをおいしく食べて元気でいたい | 食事介助を受けながら好みの食事が摂れ、体力・栄養状態が維持できるようになる | 好みの食事内容を把握した介助により、毎食8割以上の摂取量が確保できるようになる |
| 食事の介助をしてもらいながら、他の入居者と一緒に食堂で食事を楽しみたい | 食堂での食事が継続でき、他の入居者との交流を楽しみながら生活できるようになる | 毎食食堂に移動して職員の介助のもとで食事をとり、食事の場での会話・交流が楽しめるようになる |
| 飲み込みが難しくなっているが、口から食べることを大切にしながら生活したい | 安全な食形態で経口摂取が継続でき、食べる楽しみが維持されながら生活できるようになる | 嚥下に配慮した食形態(ミキサー食・ソフト食など)で毎食介助を受け、誤嚥なく食事が継続できるようになる |
一部介助での食事に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 手が震えてこぼしてしまうことがあるが、できる限り自分で食事をしたい | 自助具の活用と必要時の介助により、自分で食事ができる状態が維持できるようになる | 自助具(スプーン・皿の滑り止めなど)を使用し、こぼしを最小限にしながら自分で食事ができるようになる |
| 食事の途中で疲れてしまい食べきれないことがあるため、必要な栄養を摂りながら生活したい | 適切な介助と食事環境の工夫により必要な栄養が確保され、体力が維持できるようになる | 食事後半に疲れが出た際は職員が介助し、毎食8割以上の摂取量が確保できるようになる |
| お箸が使いにくくなってきたが、できれば食器を使って自分で食べたい | スプーンなどの代替食器を活用しながら自力摂取が継続でき、食事の自立が維持できるようになる | スプーン・フォークを使用した自力摂取ができ、難しい場面のみ職員が介助できるようになる |
| 片麻痺があり一人では食べにくいが、食べることが楽しみなのでできる限り自分で食べたい | 麻痺側への配慮と自助具の活用により、自力摂取が継続できるようになる | 健側を使った自力摂取を継続し、こぼれやすい食品のみ職員が介助できるようになる |
見守り・声かけでの食事に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 認知症があり食事の途中で席を立ってしまうことがあるが、しっかり食べて元気でいたい | 声かけ・見守りのもとで毎食食事が完了でき、栄養状態が維持できるようになる | 職員の声かけにより食事に集中でき、毎食8割以上の摂取量が確保できるようになる |
| むせることがあり食事が心配だが、好きなものを食べながら生活したい | 見守りと食形態の工夫により安全に食事が継続でき、食べる楽しみが維持できるようになる | 食事中の見守りと適切な食形態により、むせなく安全に毎食食事ができるようになる |
| 食べるのが遅く時間がかかるが、自分のペースでゆっくり食事を楽しみたい | 自分のペースで食事が継続でき、食べることを楽しみながら生活できるようになる | 食事時間を十分に確保し、見守りのもとで自分のペースで毎食食事が完了できるようになる |
食欲不振・低栄養に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 最近食欲がなく体重が減ってきているため、少しでも食べて体力を維持したい | 食欲が回復し必要な栄養が確保されることで、体重・体力が維持できるようになる | 好みの食事・補食の提供により、1日の摂取カロリーが必要量の8割以上確保できるようになる |
| 好き嫌いが多く食事が進まないことがあるため、好きなものを食べながら栄養を確保したい | 好みに配慮した食事提供により栄養状態が維持され、食事を楽しめる生活が続けられるようになる | 好みの食品・食べやすいメニューを把握し、食事の摂取量が安定して確保できるようになる |
| 施設の食事に慣れず食が進まないため、少しずつ食事を楽しめるようになりたい | 施設の食事に慣れ、食欲が改善されながら必要な栄養が摂れるようになる | 入居前の好みの食事・味付けを把握し、食事提供に反映することで摂取量が改善できるようになる |
| 食べることが生きがいなのに最近食欲がなくてつらいため、また食事を楽しめるようになりたい | 食欲が回復し、食べることを再び楽しみながら生活できるようになる | 管理栄養士と連携し食欲不振の原因を把握しながら、好みや季節に合わせた食事提供ができるようになる |
嚥下障害・食形態に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 飲み込みが悪くむせることがあるため、安全においしく食べられる方法で食事をしたい | 嚥下に配慮した食形態で安全に食事が継続でき、誤嚥性肺炎を起こさずに生活できるようになる | 適切な食形態・とろみの使用により、むせなく毎食安全に食事が摂れるようになる |
| ミキサー食になってしまったが、できれば形のある食事を食べたい | 嚥下訓練と食形態の段階的改善により、より形のある食事が食べられるようになる | 言語聴覚士の評価のもとで嚥下訓練を継続し、食形態の段階的なステップアップが図れるようになる |
| 誤嚥が心配で食事が怖くなっているが、口から食べることを続けたい | 安全な食形態と食事姿勢の工夫により、経口摂取が継続できるようになる | 適切な食事姿勢・食形態・食事速度の管理により、安心して経口摂取が毎食継続できるようになる |
食事の楽しみ・個別性に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 昔から料理が好きで食にこだわりがあるため、施設でも食事を楽しみにしながら生活したい | 食事が生活の楽しみとして継続でき、食へのこだわりが尊重された生活が送れるようになる | 好みの味付け・食材を職員・栄養士と共有し、食事の満足度が高まるようになる |
| 季節の行事食やイベント食を楽しみにしているため、施設でも季節を感じながら食事を楽しみたい | 季節の行事食・イベント食に参加しながら、食事を楽しむ生活が続けられるようになる | 月1回以上の行事食・イベント食に参加し、季節感のある食事の楽しみが確保できるようになる |
| 家族と一緒に食事をすることが楽しみなため、面会時に家族と食事を楽しみたい | 家族との食事の時間が定期的に確保され、家族とのつながりを感じながら生活できるようになる | 家族の面会時に食堂または居室で一緒に食事をする機会が月○回確保できるようになる |
食事姿勢・食事環境の調整に関する文例
施設の食事場面では、介助の方法だけでなく「どこで・どんな姿勢で食べるか」が摂取量と安全性を大きく左右します。環境面に着目した文例をまとめました。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 食事中に体が傾いてしまい食べづらいため、楽な姿勢で食事をしたい | 安定した姿勢で食事ができ、必要な栄養が摂取できるようになる | クッション・車いすの調整により、食事中の姿勢が最後まで保持できる |
| 食堂がにぎやかで落ち着かないため、自分のペースで食べたい | 落ち着いた環境で食事ができ、食事量が安定するようになる | 座席位置を調整し、集中して食事ができる環境で毎食摂取できる |
| 手が震えてこぼしてしまうため、自分の力で食べ続けたい | 自助具の活用により、自力での食事が継続できるようになる | すべり止めマット・すくいやすい食器を使用し、こぼす量が減る |
| 眠気が強い時間帯があり食事が進まないため、しっかり目が覚めた状態で食べたい | 覚醒した状態での食事が確保され、摂取量が安定するようになる | 食事前の声かけ・離床の時間を調整し、覚醒した状態で食事を開始できる |
| ベッドの上での食事が多いため、できるだけ起きて食べたい | 離床しての食事が習慣となり、生活にメリハリのある毎日が送れるようになる | 1日1回は車いすに移乗して食堂で食事をとることができる |
水分摂取・脱水予防に関する文例
高齢者は口渇を感じにくく、施設でも脱水は起こりやすい状態です。摂取量の把握と、本人が飲みやすい形にする工夫が支援の柱になります。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| あまり喉が渇かないので水分をとる量が少ないが、体調を崩さず過ごしたい | 必要な水分が確保され、脱水を起こすことなく生活できるようになる | 1日○mlを目安に、時間を決めた水分提供により摂取量が確保できる |
| むせるのが怖くて水を飲むのをためらうため、安心して水分をとりたい | 安全な方法での水分摂取が定着し、脱水なく過ごせるようになる | とろみ調整により、むせることなく必要な水分を摂取できる |
| トイレが近くなるのが嫌で水分を控えているが、健康は保ちたい | 排泄への不安が軽減し、必要な水分を我慢せず摂取できるようになる | トイレ誘導の体制を整え、安心して日中の水分摂取ができる |
| お茶より好きな飲み物のほうが進むので、楽しみながら水分をとりたい | 本人の好みに合った方法で水分摂取が継続できるようになる | 本人の好む飲み物(コーヒー・乳酸菌飲料等)を取り入れ、摂取量が増える |
経管栄養からの経口移行・経口維持に関する文例
施設では経口維持加算・経口移行加算の算定にあたり、多職種による食事の観察と会議、計画の作成が求められます。ケアプラン上も、誰がどのように関わるのかが分かる目標にしておくと連動しやすくなります。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| むせが増えてきたが、これからも口から食べ続けたい | 安全に口から食べる生活が継続でき、食べる楽しみが保たれるようになる | 多職種による食事観察をもとに食形態・姿勢を調整し、むせずに食事ができる |
| 経管栄養になったが、少しでも口から食べる機会を持ちたい | 安全な範囲での経口摂取が実現し、食べる喜びを感じられる生活が送れるようになる | 嚥下機能の評価を受け、医師の許可のもとゼリー等の摂取を試すことができる |
| 肺炎を繰り返しているため、安全に食事をとれるようにしたい | 誤嚥性肺炎を起こさず、安定して施設での生活が続けられるようになる | 食後の口腔ケアと食後30分の座位保持を毎食実施できる |
口腔ケア・嚥下の詳しい文例は口腔機能低下・誤嚥のケアプラン、経管栄養は胃ろう・経管栄養のケアプラン文例をご覧ください。
体重減少・低栄養への対応に関する文例
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 体重が減ってきているため、体力を落とさずに過ごしたい | 栄養状態が改善し、活動的に過ごせる体力が維持できるようになる | 管理栄養士の助言による栄養補助食品の追加で、体重の減少が止まる |
| 一度にたくさん食べられないため、無理なく必要な栄養をとりたい | 本人に合った食事の形で、必要な栄養が確保できるようになる | 1日3食に加え間食を取り入れ、少量頻回で必要量を摂取できる |
| 入れ歯が合わず噛みづらいため、しっかり噛んで食べられるようにしたい | 口腔の状態が整い、食事を楽しみながら必要な栄養がとれるようになる | 歯科受診により義歯を調整し、常食に近い形態で食事ができる |
施設ケアプラン・食事のNG例と改善例
| NG例 | 見直したい理由 | 改善例 |
|---|---|---|
| (ニーズ)全介助が必要である | 介助量の記載であり、本人の望みや残された力が見えない | (ニーズ)自分では食べられないが、好きな物をおいしく食べる時間を大切にしたい |
| (短期目標)毎食全量摂取する | 体調や食欲に左右され、達成できない日が続くと形骸化しやすい | (短期目標)1日の摂取量が○割以上を保ち、体重が維持できる |
| (短期目標)職員が食事介助を行う | 職員の行為が目標になっており、本人の状態変化が示されていない | (短期目標)介助を受けながら、自分のペースでむせずに食事ができる |
| (ニーズ)低栄養状態である | アセスメント結果の記載で、本人の言葉になっていない | (ニーズ)食が細くなってきたが、体力を落とさずに元気に過ごしたい |
| (短期目標)誤嚥しない | 結果のみで、そのための具体的な行動・環境が示されていない | (短期目標)食事姿勢の調整・食形態の変更・食後の口腔ケアを継続できる |
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