スロープ・段差解消のケアプラン文例|ニーズ・目標と選定理由【場所別・住宅改修との使い分け】

スロープ・段差解消に関するケアプランのニーズ・長期目標・短期目標および福祉用具の選定理由の例文・文言集です。

居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成する際に直面する様々な課題を解決するためのお手伝いをします。

・スロープ・段差解消に関するニーズや目標、選定理由の文例や記入例を見ながら、ケアプランや計画書作成をスムーズに進めたい方へ
・監査や実地指導での指摘を避け、安心して業務に取り組みたい方へ

スロープや段差解消用品は、玄関・室内の段差・出入り口など、移動の妨げとなる段差を安全に越えるための福祉用具です。歩行が不安定な方・車いすを使用している方・杖や歩行器を使っている方など、幅広い利用者に対応します。住宅改修との違いを意識しながら、福祉用具貸与・購入の必要性を明確に示す選定理由の文例もあわせてご活用ください。

スロープ・段差解消に関するニーズ・長期目標・短期目標例文一覧

スロープ・段差解消のケアプランを作成するときは、「どこの段差が・なぜ問題なのか」「スロープを使うことで何が実現できるのか」を具体的に示すことがポイントです。転倒予防・外出機会の確保・車いすでの移動など、目的に応じて文言をアレンジしてお使いください。

玄関・外出時の段差解消に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
玄関の段差が高く一人では安全に出入りできないため、安全に外出できる環境を整えたい 玄関の段差が解消され、転倒なく安全に外出できるようになる スロープを設置し、玄関の出入りが安全にできるようになる
車いすを使用しているが玄関の段差があり自力での出入りが難しいため、外出できる環境を整えたい 車いすでの玄関出入りが可能となり、外出の機会が確保できるようになる 車いす対応のスロープを設置し、介助のもとで安全に玄関を出入りできるようになる
歩行器を使用しているが玄関の段差があり通過が難しいため、安全に出入りできるようにしたい 玄関の段差が解消され、歩行器を使用したまま安全に出入りできるようになる 段差解消スロープを設置し、歩行器使用時の玄関通過が安全にできるようになる
外出時の段差でつまずくことがあり転倒が心配なため、安全に外出できる環境を整えたい 段差によるつまずきが防止され、転倒なく安全に外出が継続できるようになる スロープの設置により段差が解消され、外出時の転倒リスクが軽減できるようになる

室内の段差解消に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
室内の敷居や小さな段差でつまずくことがあり転倒が心配なため、安全に移動できる環境を整えたい 室内の段差が解消され、転倒なく安全に屋内移動ができるようになる 段差解消用品を各所に設置し、室内移動時のつまずきリスクが軽減できるようになる
車いすで室内を移動しているが敷居の段差があり通過が困難なため、スムーズに移動できるようにしたい 室内の段差が解消され、車いすでスムーズに屋内移動ができるようになる 敷居用スロープを設置し、車いすでの各部屋への移動が自立または介助でできるようになる
トイレ・浴室の入り口に段差があり安全に出入りできないため、排泄・入浴を安全に続けたい トイレ・浴室への出入りが安全にできるようになり、排泄・入浴の自立が維持できるようになる 段差解消スロープを設置し、トイレ・浴室への出入り時の転倒リスクが軽減できるようになる

外出・社会参加の維持に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
段差があることで外出をためらうようになっているため、安心して外出できる環境を取り戻したい 段差の不安が解消され、積極的に外出・社会参加ができるようになる スロープの設置により外出時の障壁が取り除かれ、週○回の外出が安心してできるようになる
通所サービスへの送迎時に段差での乗降が不安なため、安全に利用できる環境を整えたい 送迎時の乗降が安全に行えるようになり、通所サービスの利用が継続できるようになる スロープを活用した安全な乗降方法が確立され、通所サービスを欠かさず利用できるようになる
タクシー・送迎車への乗降時に段差があるため、安全に乗降できる環境を確保したい 送迎車やタクシーへの乗降が安全に行えるようになり、通院や外出が継続できるようになる 携帯スロープや乗降補助具を活用し送迎時の乗降が安全かつスムーズにできるようになる
玄関の段差が大きく雨天・冬季に特に危険なため、天候を問わず安全に出入りできるようにしたい 天候や季節を問わず玄関の出入りが安全にできるようになる 滑り止め付きスロープを設置し悪天候時でも転倒なく玄関を通過できるようになる

スロープ・段差解消用品の選定理由の例文

  • 居宅ケアプランのニーズ・長期目標・短期目標の例文集【テーマ別まとめ】
  • 玄関に○cmの段差があり、歩行機能の低下により安全な昇降が困難なため、転倒防止を目的としたスロープの設置が必要である。
  • 車いすを使用しており、玄関・室内の段差が車いすでの移動を妨げているため、スロープの設置が不可欠である。
  • 歩行器使用時に敷居・段差の通過が困難であり、転倒リスクを軽減するために段差解消用品が必要である。
  • 下肢筋力の低下により段差の昇降時につまずきが生じており、転倒予防のためにスロープの設置が必要である。
  • 室内の各所に段差があり車いすでの自立移動が妨げられているため、生活範囲の確保を目的として段差解消用品が必要である。
  • 外出時の段差が障壁となり閉じこもりのリスクがあるため、社会参加・外出機会の確保を目的としたスロープが必要である。
  • トイレ・浴室入り口の段差により転倒リスクが高く、排泄・入浴の安全を確保するために段差解消用品の設置が必要である。

【場所別】段差解消のニーズ・長期目標・短期目標の文例

段差は場所によって高さも用具も対応方法も異なります。自宅のどこが課題になっているのかから探せるように整理しました。

玄関の上がりかまち(屋内側の段差)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
上がりかまちが高くて足が上がらないため、安全に家に出入りしたい 玄関の出入りが安全に行われ、外出の機会を保った生活が続けられるようになる 踏み台と手すりの併用により、段差を分けて安全に昇降できる
靴の着脱で座る場所がなくふらつくため、落ち着いて身支度をしたい 玄関での動作が安定し、転倒なく外出の準備ができるようになる 玄関椅子を設置し、座った姿勢で靴の着脱ができる

玄関前の階段・アプローチ(屋外側の段差)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
車いすになってから玄関前の段差が越えられず、外に出られなくなった 屋外への移動手段が確保され、通院や外出が継続できるようになる 可搬型スロープの設置により、介助を受けて車いすで屋外へ出られる
デイサービスの送迎車まで行くのに段差があり、乗り降りに時間がかかる 送迎時の移動が円滑になり、サービス利用が継続できるようになる スロープの設置と手すりの併用で、送迎車まで安全に移動できる
雨の日はアプローチが滑って怖いため、天候に関係なく安全に出かけたい 天候にかかわらず安全な外出が確保され、生活範囲が維持できるようになる 滑り止めの設置と手すりの併用により、雨天時も転倒なく通行できる

掃き出し窓・ベランダ・勝手口

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
洗濯物を干すのにベランダの段差が越えられず困っている 家事の動作が続けられ、自分の役割を持った生活が維持できるようになる 踏み台・すのこの設置により、ベランダへの出入りが自分でできる
庭に出るのが好きだったが段差で行けなくなったため、また外の空気を吸いたい 屋外で過ごす楽しみが取り戻され、活動的な生活が送れるようになる 掃き出し窓に段差解消用具を設置し、庭に出る機会を持てる

室内の敷居・部屋の間の段差

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
部屋の間の敷居につまずくため、家の中を安全に移動したい 屋内の移動が安全に行われ、転倒なく在宅生活が続けられるようになる 敷居に段差解消スロープを設置し、つまずくことなく移動できる
歩行器を使うようになったが、敷居で引っかかって進めない 歩行器を使った移動が屋内全体で可能となり、生活範囲が保たれるようになる 段差解消により、歩行器で居室からトイレ・食堂まで移動できる
畳の部屋とフローリングの境目で足を取られるため、安心して歩きたい 住環境が整備され、屋内での転倒がない生活が続けられるようになる 段差の解消とカーペットの固定により、つまずく場面がなくなる

【福祉用具貸与と住宅改修】どちらで対応するかの考え方

段差の解消は、工事を伴わない可搬型スロープ・段差解消機は福祉用具貸与固定してしまうスロープの設置・敷居の撤去・床のかさ上げは住宅改修(支給限度基準額20万円)の対象になります。判断の目安を整理しました。

状況 適した対応 理由
退院直後で今後の状態が変わりそう 可搬型スロープの貸与 状態の変化に応じて用具の変更・中止が容易なため
賃貸住宅で工事の許可が得られない 可搬型スロープ・すのこの貸与 原状回復が必要な住宅では工事を伴わない方法が適するため
段差が固定的で長期にわたり必要 住宅改修(スロープ設置・敷居撤去) 常時使用する動線であり、恒久的な解消が安全で確実なため
使うのは送迎時など特定の場面のみ 可搬型スロープの貸与 必要時のみ設置でき、通常時の通行を妨げないため
高低差が大きく人力での対応が難しい 段差解消機(昇降機)の貸与 スロープでは必要な設置距離を確保できないため

住宅改修は原則として着工前に申請が必要です。事前に保険者へ確認し、理由書の作成(住宅改修が必要な理由書)はケアマネジャーが担当します。手すりの設置については手すりのケアプラン文例と選定理由の例もご覧ください。

段差解消用具の選定理由でよくあるNG例と改善例

NG例 指摘されやすい理由 改善例
段差があるため。 段差の存在のみで、本人の身体状況との関係が示されていない 玄関の上がりかまちが20cmあり、下肢筋力低下により片足を上げての昇降ができない。段差を分割する踏み台と手すりの併用が必要である。
転倒予防のため。 どの用具にも当てはまる一般論になっている 敷居(3cm)につまずいて転倒した経験があり、歩行時に足が十分に上がらない。当該箇所の段差解消により、屋内の安全な移動を確保する必要がある。
車いすのため必要。 どの段差にどの用具が必要かが特定されていない 車いす使用のため玄関前の3段(計45cm)が自力・介助のいずれでも越えられない。可搬型スロープを設置し、通院・通所時の外出手段を確保する必要がある。
外出しやすくするため。 目的のみで、身体状況の評価と用具の適合性が説明されていない 屋外歩行は歩行器を使用しているが、玄関前の段差で歩行器が使えず介助を要している。段差解消により歩行器のまま通行でき、外出の自立度が保たれるため必要である。

段差解消を検討するときのポイント

必ず実測する:段差の高さ・幅・スロープを置く距離(勾配)を測ります。可搬型スロープは高さの約4〜6倍の長さが必要とされ、玄関前のスペースによっては設置できないこともあります。

介助者が使えるかを確認する:スロープは設置・撤去の作業を伴います。高齢の配偶者が扱う場合は、重さと操作性も選定の判断材料になります。

「段差をなくす」以外の選択肢も検討する:手すりの併設、踏み台による分割昇降、動線そのものの変更(別の出入口を使う)など、複数の方法を比較して提案しましょう。

目標は「外出が続く」ことに置く:段差解消は手段です。目標には「通院が継続できる」「庭に出る楽しみが持てる」など、その先の生活を書きます。

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