手すりのケアプラン文例|ニーズ・長期目標・短期目標と選定理由の例【設置場所別】

要介護や要支援の認定を受けた人は介護保険の福祉用具対応の制度を使って、福祉用具のレンタルをすることができます。

その中でも手すりのレンタルが必要な理由場合のニーズ・目標・理由をケアマネージャーがケアプラン(居宅サービス計画)にどのように記入したらよいか迷うと思いますので例文を記載いたします。

手すりを使用する必要があるという根拠が必要になりますのでその理由や目標の書き方どんなニーズがあるのかなどをケアプランを作る際の参考にしてください。また福祉用具専門員の方の作成する計画書や要望書にも例文を参考にできるかと思います。

要介護者が手すりのレンタルが必要な場合のニーズ・目標例文

要介護者の課題に対する長期目標と短期目標を設定した表です。手すりの設置を前提としています。

課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
ベッドからの起き上がりや立ち上がりを容易にする 自力でベッドから安全に起き上がり、立ち上がれるようになる 手すりを使ってベッドからの起き上がりを練習する
起き上がりや立ち上がり時の腰部負担軽減 起き上がりや立ち上がり時の腰への負担を最小限にする 手すりを利用して腰への負担を減らす方法を学ぶ
自分で寝返りや起き上がりをする 寝返りや起き上がりを自力で行えるようになる 手すりを使って寝返りや起き上がりの練習をする
ベッド上での活動範囲拡大 ベッド上での活動範囲を広げ、自立した生活を送る 手すりを使ってベッド上での動作を練習する
自宅内での安全な移動 自宅内を安全に自由に移動できるようになる 手すりを利用して自宅内の移動練習をする
下肢筋力の向上と安全な移動 下肢の筋力を強化し、安全に移動できるようになる 手すりを使って下肢の筋力トレーニングをする
トイレでの自立した排泄 トイレでの排泄を自力で安全に行えるようになる 手すりを使ってトイレへの移動と排泄の練習をする
安全な外出 外出時の安全性を確保し、外の空気を楽しむ 手すりや歩行器を使って外出の練習をする
通院時の自立 通院を自力で安全に行えるようになる 手すりや歩行器を使って通院の練習をする
買い物や外出の自立 自力で買い物や外出ができるようになる 手すりや歩行器を使って買い物や外出の練習をする
デイサービスへの定期的な外出 デイサービスへの定期的な外出を実現する 手すりや歩行器を使ってデイサービスへの外出練習をする

この表は、高齢者が理解しやすいように具体的な目標を設定し、手すりを活用した練習を通じてそれらの目標に近づく方法を示しています。

要介護者が手すりのレンタルが必要な理由の例文

介護保険を使って福祉用具をレンタルする場合にはどんな理由でその福祉用が必要なのか明確にしないとなりません。その時に手すりが必要である理由の書き方で迷うことがありますので例文を以下に記載します。

  1. 膝や腰に痛みがあり、起居動作や歩行が不安定であるため、安全に動作を行うために手すりが必要である。
  2. 関節リウマチにより両下肢の可動域が限られており、立ち上がり時に痛みがあり、転倒のリスクがある。安全な起居動作のために手すりが必要である。
  3. 心疾患による血圧の変動が起き上がりや立ち上がり時のふらつきを引き起こすため、転倒リスクを減らすために手すりが必要である。
  4. 脳血管障害による麻痺と高次脳機能障害があり、床からの立ち上がりが困難である。転倒のリスクを減らすために手すりが必要である。
  5. 骨折後の下肢筋力の低下により、起き上がりや立ち上がりが困難である。手すりを使用することで、身体への負担を軽減し、安定した動作が可能になる。
  6. 事故の後遺症による肩の痛みや下肢の筋力低下があり、起居動作時に痛みやふらつきがある。手すりを使用することで、安全に動作を行い、転倒リスクを減らすことができる。
  7. 変形性膝関節症による膝の痛みと痺れがあり、移乗や移動時に転倒の危険性がある。手すりを使用することで、膝への負担を軽減し、安全に動作を行うことができる。
  8. 腰部や胸部の圧迫骨折の既往があり、布団からの起居動作に痛みが伴い、転倒のリスクもある。手すりを使用することで、安全に立ち上がりや起き上がりを行うことができる。
  9. 日によって身体状況が変動し、特に夜間トイレに行く際に起き上がりが困難で、失禁することが増えている。安全な移動と起居動作のために手すりが必要である。
  10. 転倒による骨折後の腰痛・膝痛が続いており、起居動作時の痛みと筋力低下により転倒することがある。身体的苦痛の軽減と安全な起居動作のために手すりが必要である。
  11. 年齢による筋力の低下があり、立ち上がりや移動時に不安定感があるため、手すりが必要である。
  12. 夜間頻繁にトイレに行く必要があり、暗闇での移動が困難であるため、手すりが必要である。
  13. パーキンソン病による歩行障害があり、バランスを保つのが難しいため、手すりが必要である。
  14. 糖尿病による神経障害があり、足元の感覚が鈍いため、安全な歩行のために手すりが必要である。
  15. 脳梗塞の後遺症で片麻痺があり、片側の体重を支えるのが困難であるため、手すりが必要である。
  16. 視力の低下があり、特に夜間や暗い場所での移動が不安定であるため、手すりが必要である。
  17. 高齢による全体的な体力低下があり、長時間立っていることが困難であるため、手すりが必要である。
  18. 坐骨神経痛があり、長時間同じ姿勢を保つと痛みが生じるため、立ち上がり時に手すりが必要である。
  19. 股関節の手術後で、回復期にあり、安定した歩行のために手すりが必要である。
  20. 脊椎の曲がりが進行しており、姿勢を保つのが困難であるため、手すりが必要である。
  21. 足の筋肉に痛みがあり、特に朝起きた時に立ち上がりが困難であるため、手すりが必要である。
  22. 多発性硬化症による筋力の低下があり、特に階段の昇降が困難であるため、手すりが必要である。
  23. 脳腫瘍の手術後で、平衡感覚が不安定であるため、手すりが必要である。
  24. 長期間の病床生活により、筋力が低下しており、立ち上がりや歩行が不安定であるため、手すりが必要である。
  25. 肩の関節炎があり、腕を使って体を支えるのが困難であるため、手すりが必要である。
  26. 膝の関節炎により、階段の昇降が特に困難であるため、手すりが必要である。
  27. 脳卒中の後遺症で、片側に重心が偏るため、歩行時に手すりが必要である。
  28. 筋ジストロフィーによる筋力の低下があり、自力での立ち上がりが困難であるため、手すりが必要である。
  29. 高齢による全身の筋力低下があり、特に朝の起床時に立ち上がりが困難であるため、手すりが必要である。
  30. 長期間の入院後の筋力低下があり、自宅での日常生活に戻るためには、安全な移動のために手すりが必要である。

これらの理由は、要介護者が手すりをレンタルする際の具体的なニーズを示しています。

ケアプランや福祉用具対応の計画書などの作成に役立ちましたら幸いです。

【設置場所別】手すりのニーズ・長期目標・短期目標の文例

手すりの貸与は「どこに・なぜ必要か」が明確でないと、福祉用具貸与の必要性を説明できません。設置場所ごとに、想定される利用者像とあわせて文例をまとめました。

玄関・上がりかまちの手すり

玄関の段差(上がりかまち)は転倒事故が多い場所です。外出の機会を守るという目標につなげると、単なる安全確保にとどまらない目標になります。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
玄関の段差が高くふらつくため、転ばずに家を出入りできるようになりたい 玄関の出入りが安全に行えるようになり、外出の機会を保ちながら生活が続けられる 玄関に置き型手すりを設置し、段差の昇降を手すりを使って一人で行える
靴の脱ぎ履きのときにバランスを崩すため、安全に身支度を整えたい 玄関での動作が安定し、転倒することなく外出の準備ができるようになる 手すりにつかまりながら、座位または立位で靴の着脱ができる
通院やデイサービスの送迎で毎日玄関を使うため、介助を受けながらも安全に出入りしたい 送迎時の出入りが安全に行われ、サービス利用が継続できるようになる 手すりの使用と介助者の見守りにより、送迎時の玄関の出入りが転倒なく行える

廊下・階段の手すり

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
廊下で壁伝いに歩いておりふらつくため、安全に家の中を移動したい 屋内の移動が安定し、転倒なく自宅での生活が続けられるようになる 廊下に設置した手すりを使い、居室からトイレまで一人で移動できる
2階の寝室まで階段を上りたいが、途中で足がもつれて怖い 階段の昇降が安全にでき、住み慣れた2階の寝室で休む生活が継続できる 階段の手すりを使い、一段ずつ確認しながら安全に昇降できる
夜中にトイレに行くとき暗くて不安なため、安心して移動できるようにしたい 夜間の移動が安全に行え、睡眠を妨げられずに生活できるようになる 手すりと足元灯を併用し、夜間もふらつかずにトイレまで移動できる

トイレの手すり

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
便座からの立ち上がりがつらくなってきたが、自分でトイレに行き続けたい 排泄動作の自立が維持され、自分でトイレに行く生活が続けられるようになる 据置型手すりを使用し、便座からの立ち座りを一人で行える
ズボンの上げ下ろしのときにふらついて壁にぶつかるため、安全に排泄したい 排泄時の一連の動作が安全に行え、転倒なく生活できるようになる 手すりにつかまって身体を支えながら、衣類の上げ下ろしができる
間に合わないことが増えてきたので、慌てずにトイレを使えるようにしたい 排泄の失敗が減り、自信を持って生活が送れるようになる 手すりの設置により立ち座りの時間が短縮され、間に合わない場面が減る

浴室・脱衣所の手すり

浴室内の手すりは、シャワーチェアや浴槽台とセットで検討することが多い場所です。用具の組み合わせについてはシャワーチェア・入浴補助用具のニーズと選定理由の例文集もあわせてご覧ください。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
浴室の床が滑りやすく転倒が怖いため、安心して入浴したい 安全な入浴が習慣として続き、清潔を保った生活が送れるようになる 浴室内の手すりを使用し、洗い場での立ち座り・移動が安全に行える
浴槽をまたぐときに片足立ちになるのが不安なため、自分で湯船につかりたい 浴槽の出入りが安全に行え、湯船につかる楽しみが継続できるようになる 手すりを支えにして、介助者の見守りのもと浴槽の出入りができる
脱衣所での着替えのときにふらつくため、安全に身支度を整えたい 入浴前後の動作が安定し、負担なく入浴が続けられるようになる 脱衣所の手すりを使い、立位でのズボンの着脱が安全に行える

居室・ベッド周りの手すり(ベッド用手すり・据置型)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
布団からの立ち上がりがつらいため、自分の力で起き上がれるようになりたい 起居動作の自立が維持され、日中を活動的に過ごせるようになる 据置型手すりを使用し、起き上がりから立ち上がりまで一人で行える
ベッドから車いすへの乗り移りが不安定なため、安全に移乗したい 移乗が安全に行われ、転倒・転落なく生活が続けられるようになる ベッド用手すりを支えにして、見守りのもと車いすへの移乗ができる
夜中に起き上がるときにベッドから落ちそうになるため、安心して眠りたい 夜間も安全に過ごすことができ、休息が確保された生活が送れるようになる ベッド用手すりを設置し、夜間の起き上がり時に転落することなく動作できる

【状態別】手すりが必要な理由の書き方

同じ「手すり」でも、身体状況によって必要とする理由が変わります。状態像に合わせて選定理由を書き分けると、必要性が伝わりやすくなります。

状態像 手すりが必要な理由(選定理由)の記載例
軽度(自立歩行可能・ふらつきあり) 屋内歩行は自立しているが、下肢筋力低下により立ち上がり時・方向転換時にふらつきがみられる。転倒による骨折を予防し、現在の自立した生活を維持するため、支持物として手すりの貸与が必要である。
中等度(動作に支持物が必要) 下肢筋力の低下により、支持物なしでの立ち上がり・段差昇降が困難である。壁や家具に手をついて移動しており不安定なため、安全な動線を確保する目的で廊下・トイレへの手すりの設置が必要である。
重度(移乗介助が必要) 自力歩行は困難で、ベッドから車いすへの移乗に介助を要する。移乗時に本人が支持できる手すりを設置することで、残存機能を活かした移乗が可能となり、あわせて介護者の腰部負担の軽減が図れるため必要である。
疾患による症状がある場合(パーキンソン病等) すくみ足・突進歩行がみられ、歩き出しと方向転換時に転倒のリスクが高い。動作の起点となる場所に手すりを設置することで、身体を支えながら安全に動作を開始することができるため必要である。
住宅改修が難しい場合 賃貸住宅であり壁面への固定ができないため、住宅改修による手すり設置が困難である。工事を伴わない据置型・突っ張り型の手すりの貸与により、転倒リスクの高い動線の安全確保を図る必要がある。

手すりの選定理由でよくあるNG例と改善例

福祉用具の選定理由は、実地指導・運営指導で確認されやすい項目です。「なぜこの用具でなければならないのか」が読み取れる書き方を心がけましょう。

NG例 指摘されやすい理由 改善例
転倒予防のため。 誰にでも当てはまる一般論で、この方に必要な理由が読み取れない 下肢筋力低下により立ち上がり時のふらつきがあり、過去6か月で居室内での転倒が2回あったため、動作の支持物として手すりが必要である。
本人・家族の希望のため。 希望のみを根拠にしており、アセスメントに基づく必要性の判断がない 本人より「トイレの立ち上がりがつらい」との訴えがあり、動作を確認したところ支持物なしでの立ち上がりに時間を要し不安定である。排泄の自立を維持するため手すりが必要である。
歩行が不安定なため手すりが必要。 設置場所が特定されておらず、貸与品目との対応が不明確 屋内の移動は壁伝いで不安定であり、特に廊下からトイレまでの動線に支持物がない。当該動線に据置型手すりを設置し、安全な移動を確保する必要がある。
安全のため設置する。 目的が抽象的で、目標との関連が説明できない 夜間のトイレ移動時に転倒歴があり、暗所での歩行が特に不安定である。夜間の排泄動線の安全を確保し、本人が望む自宅での生活を継続するために必要である。
介護者の負担軽減のため。 介護者の都合のみが理由になっており、本人の自立支援の視点がない 移乗時に本人が手すりを把持することで、残存する上肢筋力を活かした移乗が可能となる。本人の残存機能の活用と、あわせて介護者の負担軽減が図れるため必要である。

手すりの目標設定で押さえておきたいポイント

「手すりを使えるようになる」で終わらせない:用具の使用は手段です。目標には「トイレまで一人で行ける」「入浴が続けられる」など、手すりを使った結果どんな生活ができるのかを書きます。

設置場所と動作を具体的に書く:「玄関の上がりかまち」「便座からの立ち上がり」など、どこでどの動作をするのかが分かると、モニタリング時の評価もしやすくなります。

貸与と住宅改修の使い分けを整理する:工事を伴わない手すり(据置型・突っ張り型)は福祉用具貸与、壁に固定するものは住宅改修(支給限度基準額20万円)の対象です。賃貸住宅・退院直後で状態が変わりやすい時期などは、まず貸与で様子をみる選択も検討します。

状態の変化に合わせて見直す:手すりで自立していた方が、その後に歩行器や車いすが必要になることもあります。モニタリングで動作の変化を確認し、必要に応じて福祉用具専門相談員と再検討しましょう。

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