内容が変わらない場合もサービス担当者会議は必要?照会で足りるケースの判断基準

「認定更新だけど状態も内容も変わらない」

「サービスの曜日を変えるだけ」

このようなとき、サービス担当者会議を開かなければならないのか迷う場面は多いものです。

この記事では、開催が必要なケースと照会で足りるケースの判断基準を整理し、判断に迷ったときの考え方と記録の残し方をまとめました。

・内容が変わらない更新のたびに会議を開くべきか迷っているケアマネの方へ
・照会で済ませてよいのか、実地指導が不安な方へ

大前提として、内容が変わらなくても「開催または照会」は必要

まず押さえておきたいのは、内容が変わらないからといって、何もしなくてよいわけではないということです。

運営基準では、ケアプランの新規作成時、認定更新時、要介護認定区分の変更時、そしてケアプランの変更時に、サービス担当者会議の開催等により担当者の専門的意見を求めることとされています。

ここでいう「開催等」には、やむを得ない理由がある場合の照会(担当者会議照会書による意見聴取)が含まれます。つまり選択肢は次の2つで、「何もしない」は含まれません。

・サービス担当者会議を開催する
・やむを得ない理由により、照会で担当者の意見を聴取する

これを行わないままケアプランを継続・変更していると、運営基準減算の対象となるおそれがあります。

【場面別】開催が必要か・照会で足りるかの判断

場面 原則の対応 考え方
認定更新で、要介護度もサービス内容も変わらない 照会で対応可能 状態が安定し変更がない場合、やむを得ない理由があれば照会での意見聴取が認められる。ただし毎回の照会は不適切と判断されうる
認定更新で、要介護度が変わった 開催が必要 区分変更に伴い支給限度額・サービス内容の見直しが生じるため
要介護認定区分の変更 開催が必要 状態の変化が前提となるため
短期目標の期間だけを延長する(内容は同じ) 軽微な変更として省略できる場合がある 目標の内容が変わらないことが前提。保険者により運用が異なる
サービスの曜日・回数を本人の希望で変更(内容・目標は同じ) 軽微な変更として省略できる場合がある ニーズ・目標に変更がないことが条件
同一事業所内で担当者が交代した 軽微な変更として省略できる場合がある 事業所そのものが変わる場合は通常変更
サービス事業所を変更した 開催(または照会)が必要 新たな担当者の意見聴取が必要なため
新たなサービスを追加・削除した 開催が必要 ケアプランの内容が実質的に変わるため
ニーズ・長期目標・短期目標の内容が変わった 開催が必要 再アセスメントを伴う通常変更にあたる
入院・退院、状態の大きな変化があった 開催が必要 支援内容の見直しが必要なため

軽微な変更の判断基準はケアプランの軽微な変更で一連の業務が必要か(厚生労働省)ケアプラン変更時の手順と必要書類・記録の書き方で詳しく解説しています。

「やむを得ない理由」として認められやすい例

照会で対応する場合、なぜ会議を開催できなかったのかを説明できる必要があります。一般に次のような事情が挙げられます。

・利用者の状態が安定しており、サービス内容に変更がない
・開催の日程調整を行ったが、担当者の都合が合わなかった
・主治医が多忙で出席が困難である
・末期がん等で状態の変化が急速であり、開催を待つ時間的余裕がない
・利用者・家族が体調不良等で参加できない
・感染症の流行等により、参集しての開催が困難である

いずれの場合も、「調整を試みたが難しかった」という経過が支援経過記録に残っていることが重要です。最初から照会ありきで動いた記録しかないと、やむを得ない理由として説明しにくくなります。

照会で対応する場合の実務手順

順番 やること ポイント
日程調整を試みる 各事業所へ打診した事実と結果を支援経過記録に残す
照会書を作成・送付する ケアプラン原案を添付し、何について意見を求めるかを明記する
回答期限を設定する 期限を明記し、期限までに回答がない場合の扱いも記載しておく
回答を受領・確認する 意見があればケアプランに反映する
第4表に記録する 「照会(依頼)年月日」「照会先」「照会内容」「回答」を記載する
照会書・回答書を保存する 会議録に相当する証跡となるため必ず保管する
本人・家族に説明し同意を得る 照会の場合も、説明・同意・交付は省略できない

照会文の具体的な文例はサービス担当者会議の照会依頼文・回答の文例集にまとめています。「認定更新・現状維持での照会」の文例も掲載しています。

内容が変わらない場合の支援経過記録の文例

場面 支援経過記録の文例
更新にあたり日程調整を試みた記録 ○月○日、認定更新に伴うサービス担当者会議の開催について、○○ヘルパー事業所・○○デイサービス・主治医○○医院へ日程調整の連絡を行った。主治医は診療のため出席困難、○○デイサービスは同時期に他の会議が重なり調整がつかなかった。本人の状態は安定しておりサービス内容の変更もないことから、照会にて意見聴取を行うこととした。
照会書の送付 ○月○日、○○ヘルパー事業所・○○デイサービス・主治医○○医院へ担当者会議照会書を送付した(ケアプラン原案・モニタリング結果を添付)。回答期限は○月○日とした。
回答の受領 ○月○日、各事業所より回答書を受領した。○○デイサービスより「入浴時にふらつきがみられることがあるため、見守りを継続する」との意見あり。現行のサービス内容で対応可能であることを確認し、第2表のサービス内容に見守りの継続を明記した。
軽微な変更として省略した記録 ○月○日、○○デイサービスより定員の都合で利用曜日を木曜から金曜へ変更したいとの相談あり。本人・長女に確認し「金曜でも問題ない」との意向を確認。ニーズ・目標・サービス内容に変更はないため、軽微な変更として担当者会議・照会を省略し、ケアプランの該当箇所を修正した。修正後のケアプランを本人へ説明・交付し同意を得た。
保険者へ確認した記録 ○月○日、短期目標の期間延長のみの変更が軽微な変更に該当するか判断に迷ったため、○○市介護保険課○○氏へ電話にて確認。「目標の内容に変更がなければ軽微な変更として差し支えない」との回答を得た。

「内容が変わらない」ときこそ確認したいこと

形式上は変更がなくても、実際には見直しの余地があることも少なくありません。更新のタイミングは、次の点を点検する機会でもあります。

目標は達成されているか:達成済みの目標をそのまま繰り返していないか。達成したなら次の段階の目標へ更新できます。
目標期間は切れていないか:期間切れのまま放置されたプランは、実地指導で指摘されやすい代表例です。
ニーズは今の生活と合っているか:状態が「変わらない」のではなく、変化に気づけていないだけということもあります。
使っていないサービスが残っていないか:利用実績のないサービスが位置づけられたままになっていないか確認します。
本人の希望は変わっていないか:更新のタイミングで改めて意向を確認すると、新たな希望が出てくることがあります。

モニタリングの視点はケアマネのモニタリングとは?居宅・施設・介護予防の基準・頻度・記録義務、記録の文例は居宅ケアマネの「モニタリング記録」の文例集をご覧ください。

よくある質問

Q. 毎回の更新を照会で済ませてもよい?
状態が安定していても、毎回照会で済ませる運用は「やむを得ない理由」があるとは言いにくく、指摘の対象になりやすいところです。少なくとも年1回は開催するなど、事業所としての方針を持っておくと説明しやすくなります。

Q. 照会でも本人・家族への説明と同意は必要?
必要です。照会で省略できるのは担当者を参集しての会議であり、ケアプランの説明・同意・交付は省略できません。

Q. 軽微な変更のときも記録は必要?
必要です。「軽微な変更のため担当者会議・照会を省略した」旨と、本人・家族の同意を得た経過を支援経過記録に残します。

Q. 判断に迷ったときはどうすればよい?
軽微な変更の範囲は保険者によって運用に幅があります。迷うケースは市町村に確認し、確認した日付・担当者名・回答内容を支援経過記録に残すのが最も確実です。

Q. 会議を開催しないと減算になる?
サービス担当者会議の開催等を行わずにケアプランを作成・変更した場合は、運営基準減算の対象となるおそれがあります。減算の要件は改定により変わることがあるため、最新の告示・通知および保険者の解釈をご確認ください。

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