
家族介護負担軽減に関するケアプランのニーズ・長期目標・短期目標の例文・文言集です。
居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成する際に直面する様々な課題を解決するためのお手伝いをします。
・家族介護負担軽減に関するニーズや目標の文例や記入例を見ながら、ケアプランや計画書作成をスムーズに進めたい方へ
・監査や実地指導での指摘を避け、安心して業務に取り組みたい方へ
家族の介護負担は、身体的な疲労だけでなく、精神的なストレスや経済的な負担など多岐にわたります。老老介護・仕事と介護の両立・遠距離介護など、家族の状況はさまざまです。利用者本人のニーズと家族のニーズを両方拾い上げ、在宅生活が長く続けられるようなプラン作りの参考例としてお使いください。
家族介護負担軽減に関するニーズ・長期目標・短期目標例文一覧
家族介護負担軽減のケアプランを作成するときは、「誰が・何に・どの程度」負担を感じているかを丁寧にアセスメントすることが大切です。ニーズの主語は利用者本人になるよう意識しつつ、家族の状況も反映した文言にすることで、実態に即したプランになります。
身体的な介護負担の軽減を目指すニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 介護している家族の身体的な負担が大きいため、サービスを利用しながら在宅生活を続けたい | 介護サービスを活用することで家族の身体的負担が軽減され、在宅生活が継続できるようになる | 訪問介護・通所介護を導入し、家族が介護から離れる時間を週○回確保できる |
| 入浴介助が家族には難しいため、専門職に任せながら清潔を保ちたい | 専門職による入浴介助を受け、家族の負担なく清潔な生活が継続できるようになる | 訪問入浴または通所介護での入浴を週○回利用し、家族が入浴介助をしなくて済む状態になる |
| 夜間の介護で家族が睡眠不足になっているため、休める時間をつくりたい | 夜間の介護負担が軽減され、家族が十分な睡眠をとれる生活が続けられるようになる | ショートステイの定期利用により、家族が月○回まとまった休息を取れるようになる |
| 移乗・移動介助が家族の腰への負担になっているため、負担を減らしたい | 福祉用具の活用と専門職の介入により、家族の身体的負担が軽減された状態が続くようになる | スライディングボードや介護ベッドを導入し、移乗介助時の家族への負担を減らすことができる |
| 老老介護のため介護する家族自身も体力的に限界があり、無理なく介護できる体制を整えたい | 介護サービスをうまく組み合わせることで、介護する家族の体力的な限界を超えない生活が続けられるようになる | 週○回のデイサービス利用により、介護する家族の身体的な休息時間が確保できる |
精神的な介護負担の軽減を目指すニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 介護している家族が精神的に追い詰められており、余裕を持って介護できるようにしたい | 専門職のサポートを受けることで家族の精神的余裕が生まれ、穏やかに介護できるようになる | ケアマネジャーへの相談機会を定期的に設け、家族が不安や悩みを話せる場が確保できる |
| 認知症の症状への対応に家族が疲弊しているため、適切な支援を受けながら在宅を続けたい | 認知症ケアの専門的サポートを受けることで家族の負担が軽減され、在宅生活が安定して続けられるようになる | 認知症対応型通所介護またはデイサービスを週○回利用し、家族が自分の時間を持てるようになる |
| 介護のことを誰にも相談できず孤立しているため、相談できる体制を整えたい | 相談できる専門職とのつながりができ、介護の不安を一人で抱え込まない状態が続くようになる | ケアマネジャーや地域包括支援センターへの相談が月○回できる環境を整える |
| 介護と仕事の両立が難しく精神的に疲れているため、無理なく続けられる方法を見つけたい | 介護サービスをうまく活用することで仕事との両立が図られ、家族が燃え尽きずに介護を続けられるようになる | 通所介護の利用日を勤務日に合わせて設定し、仕事中の介護の心配を減らすことができる |
| 将来への不安が大きく介護継続に悩んでいるため、先を見越した体制をつくりたい | 必要なサービスと相談窓口が整い、家族が先行きに見通しを持ちながら介護できるようになる | ケアマネジャーとともに今後の介護方針や活用できるサービスを整理し、家族が安心できる状態になる |
レスパイトケア(一時的な休息)に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 家族が休める時間をつくるため、ショートステイを定期的に利用したい | ショートステイの定期利用により家族の休息が確保され、在宅介護が長く続けられるようになる | 月○回のショートステイ利用を継続し、家族が心身ともにリフレッシュできる時間を確保できる |
| 家族が体調を崩したときにも安心して対応できる体制を整えたい | 緊急時にも対応できるサービス体制が整い、家族の体調に関わらず在宅生活が継続できるようになる | 緊急時のショートステイ利用が速やかにできるよう、事業所との事前調整を行うことができる |
| 家族が冠婚葬祭や用事で不在になるときでも、安心して過ごせる環境をつくりたい | 家族の不在時にも安全に過ごせる体制が整い、家族が安心して外出できるようになる | 家族不在時にショートステイまたは訪問介護を利用し、安全に過ごせることが確認できる |
| デイサービスを利用することで家族の日中の負担を減らしたい | 通所サービスの活用により家族の日中の介護負担が軽減され、穏やかな在宅生活が続けられるようになる | 週○回のデイサービス利用により、家族が日中に自分のための時間を持てるようになる |
参考:レスパイトとは?小児・看護・介護での言葉の意味や使い方・事例
介護知識・技術の習得に関するニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 介護の方法がわからず不安なため、正しい介護技術を身につけながら続けたい | 適切な介護技術を習得することで、家族が自信を持って介護できるようになる | 訪問介護員や訪問看護師から介護技術の指導を受け、安全な介護ができるようになる |
| 病気のことや今後の経過についてよくわからないため、正しく理解して介護したい | 疾患や今後の経過について理解が深まり、見通しを持ちながら介護できるようになる | 主治医・訪問看護師から病状説明を受け、家族が疑問点を解消できる場が設けられる |
| 食事介助の方法がわからず誤嚥が心配なため、安全なケアを学びたい | 適切な食事介助の方法を習得し、誤嚥なく安全に食事ができる環境が整うようになる | 言語聴覚士または訪問看護師から食事介助の指導を受け、安全な食事介助ができるようになる |
遠距離介護・介護力が限られる場合のニーズ・目標
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 家族が遠方に住んでおり日常的な介護ができないため、専門職のサポートで安心して暮らしたい | 専門職による支援体制が整い、家族が遠方にいても安心して在宅生活を続けられるようになる | 訪問介護・訪問看護を組み合わせ、家族が不在でも安全に一日を過ごせる体制を整える |
| 介護できる家族がおらず一人暮らしのため、地域のサービスを活用しながら安心して生活したい | 地域の介護サービスと見守り体制が整い、安全に一人暮らしが継続できるようになる | 緊急通報システムや訪問介護を導入し、緊急時にも対応できる体制が確保できる |
| 家族が高齢で介護力が限られているため、無理のない範囲で介護できる体制を整えたい | 介護サービスを最大限活用することで、高齢の家族が無理なく介護できる状態が続くようになる | 家族が担う介護の範囲を明確にし、それ以外はサービスで補える体制を整えることができる |
【介護者別】家族の状況に応じたニーズ・長期目標・短期目標の文例
同じ「介護負担の軽減」でも、誰が介護しているかによって必要な支援は変わります。介護者の状況別に文例をまとめました。
高齢の配偶者が介護している場合(老々介護)
介護者自身にも持病や体力の低下があり、共倒れのリスクが最も高い形です。介護者の健康維持を支援に組み込むことが欠かせません。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 妻(夫)も高齢で腰を痛めているため、無理をさせずに夫婦で暮らし続けたい | 介護者の健康が保たれ、夫婦二人での在宅生活が継続できるようになる | 身体的負担の大きい入浴・排泄の介助をサービスで代替し、介護者の腰痛が悪化しない |
| 介護している妻(夫)が自分の受診に行けていないため、健康を守ってほしい | 介護者自身の健康管理が継続され、共倒れを防いだ生活が送れるようになる | デイサービス利用日に介護者が自分の通院に行ける時間を確保できる |
| 移乗の介助で二人とも転びそうになるため、安全な方法を身につけたい | 安全な介助方法が定着し、事故なく在宅生活が続けられるようになる | 福祉用具の導入とリハビリ職からの介助方法の指導により、安全に移乗できる |
| 二人とも体調を崩したときにどうするか不安なため、備えておきたい | 緊急時の対応体制が整い、安心して夫婦の生活が続けられるようになる | 緊急時に利用できるショートステイ先を確保し、事前に環境に慣れておける |
働きながら介護している子世代の場合
仕事と介護の両立が課題です。介護離職を防ぐ視点から、平日日中の支援を厚くする設計が中心になります。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 日中は家族が仕事で不在になるため、一人でも安全に過ごせるようにしたい | 日中の安全が確保され、家族が仕事を続けながら在宅介護が継続できるようになる | 平日は通所介護・訪問介護を組み合わせ、日中に一人になる時間を減らせる |
| 朝の支度と出勤が重なって家族が慌ただしいため、無理のない朝を過ごしたい | 生活の流れが整い、本人・家族ともに負担の少ない毎日が送れるようになる | 朝の時間帯に訪問介護を利用し、起床・整容・朝食の支援を受けられる |
| 仕事を辞めずに介護を続けたいが、このままでは限界を感じている | 仕事と介護が両立できる支援体制が整い、家族の生活も守られるようになる | 介護休業制度・勤務先の支援制度について情報提供を受け、活用を検討できる |
| 夜間や休日の対応で家族が休めていないため、休息の時間をつくりたい | 家族の休息が確保され、長期にわたって介護が続けられる状態になる | 月○回のショートステイ利用により、家族がまとまった休息をとれる |
遠距離介護の場合
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 子どもが遠方でたまにしか来られないため、普段の生活を支えてほしい | 日常的な支援体制が整い、家族が遠方でも在宅生活が継続できるようになる | 日々の生活支援をサービスで担い、家族の帰省時は本人との時間に充てられる |
| 離れているぶん状況が分からず家族が不安なため、様子を知らせてほしい | 情報共有の仕組みが整い、家族が安心して見守れる状態が続く | ケアマネジャーから月1回の報告を行い、変化があれば速やかに連絡できる |
| 帰省のたびに手続きや買い物に追われるため、負担を減らしたい | 家族の帰省時の負担が軽減され、無理なく関わり続けられるようになる | 日用品の調達・手続きの一部をサービス・関係機関が担う体制を整えられる |
ダブルケア・多重介護の場合
育児と介護が重なるダブルケア、両親二人を介護する多重介護では、介護者の時間そのものが限界にあります。優先順位をつけた支援設計が必要です。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 子育てと介護が重なって家族に余裕がないため、支援を受けながら在宅生活を続けたい | 家族の負担が分散され、無理のない範囲で在宅介護が継続できるようになる | 介護の担い手をサービスに移し、家族が子どもと過ごす時間を確保できる |
| 両親二人の介護で家族が疲れ切っているため、負担を分散させたい | 二人分の介護体制が整い、家族が倒れずに介護を続けられるようになる | それぞれに必要なサービスを調整し、家族が直接介護する時間を減らせる |
本人と家族の意向が異なる場合
「本人は在宅を希望、家族は施設を検討」といった場面は珍しくありません。どちらかに寄せるのではなく、合意形成のプロセス自体を目標に位置づけることができます。
| 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 |
|---|---|---|
| 本人は自宅で過ごしたいが家族には不安があるため、話し合いながら決めていきたい | 本人・家族が納得できる暮らし方が選択でき、安心して生活が送れるようになる | サービス担当者会議で双方の思いを共有し、当面の支援内容について合意できる |
| 今後のことを考えたいが、何から検討すればよいか分からない | 今後の見通しが共有され、状況の変化にも備えられる状態になる | 在宅継続の条件と施設利用の選択肢について情報提供を受け、家族で検討できる |
家族支援のケアプランでよくあるNG例と改善例
介護負担軽減のプランは、主語が家族になりやすい点に注意が必要です。ケアプランはあくまで本人の生活を支える計画であるため、家族支援も「本人の在宅生活の継続」につなげて書きます。
| NG例 | 見直したい理由 | 改善例 |
|---|---|---|
| (ニーズ)家族の介護負担が大きい | 家族が主語であり、本人の生活課題として位置づけられていない | (ニーズ)家族に負担をかけすぎず、これからも自宅で生活を続けたい |
| (長期目標)家族が休養できる | 家族の状態のみが目標で、本人の生活の姿が示されていない | (長期目標)家族の負担が軽減され、本人が望む在宅生活が継続できるようになる |
| (短期目標)ショートステイを月2回利用する | サービスの利用回数そのものが目標になっている | (短期目標)月2回のショートステイ利用により、家族が休息をとりながら介護を継続できる |
| (ニーズ)家族が介護方法を知らない | 家族を評価する表現になっており、支援関係を損ないやすい | (ニーズ)家族と一緒に安全な介助方法を身につけ、自宅での生活を続けたい |
| (短期目標)家族のストレスがなくなる | 評価が難しく、達成の判断ができない | (短期目標)介護の悩みを相談できる機会が確保され、家族が困りごとを表出できる |
家族支援で押さえておきたい視点
・介護者自身の状態をアセスメントする:介護者の年齢・持病・就労状況・睡眠時間・相談相手の有無まで確認しておくと、負担の見立てが具体的になります。
・「限界のサイン」を早めに拾う:睡眠不足の訴え、感情的な言葉が増える、受診の中断、外出しなくなる——これらは支援を増やす検討のタイミングです。
・使える制度を情報提供する:介護休業・介護休暇、家族介護慰労金や紙おむつ給付などの市町村独自事業、家族会・介護者サロンなど、サービス以外の支援も選択肢として伝えます。
・虐待のリスクに気づく:介護負担の高まりは高齢者虐待の背景要因になります。気になる状況があれば、抱え込まずに地域包括支援センターへ相談・連携しましょう。
あわせて読みたい
2024年・2025年・2026年
介護保険・介護報酬改定の情報
介護報酬改定2026年(令和8年度)まとめ|いつから・変更点・対象サービスをわかりやすく解説
令和6年~8年 地域区分(介護)区市町村の等級一覧(2024年4月~)
介護保険区分支給限度基準額一覧(要支援・要介護)
令和8年(2026年)介護報酬改定
- 令和8年度介護報酬改定 介護職員の給与を最大月1.9万円賃上げの内容
- 令和8年度版「介護職員等処遇改善加算」算定要件・配分ルール・計算方法
- 国保中央会運用「LIFE」2026年5月11日〜7月31日に移行作業しないと加算の継続算定できない
令和8年(2026年)介護報酬改定後の介護保険サービスごとの介護報酬・単位数
介護保険の居宅サービス介護給付費単位数(対象:要介護)
- 居宅介護支援費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 訪問介護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 訪問看護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 訪問リハビリテーション費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 通所介護費(デイサービス) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 通所リハビリテーション費(デイケア) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 短期入所生活介護費(ショートステイ) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 居宅療養管理指導費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 福祉用具貸与費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
地域密着型サービスの単位数改定内容
- 地域密着型通所介護費(小規模デイサービス) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 認知症対応型共同生活介護費(認知症グループホーム) 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 小規模多機能型居宅介護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
介護予防サービス(対象:要支援)
- 介護予防支援費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 介護予防訪問看護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 介護予防居宅療養管理指導費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
- 介護予防短期入所生活介護費 2026年6月からの介護報酬・単位数一覧
2026年(令和8年度)・2024年 介護報酬改定で特徴的な加算・制度
- 介護施設の協力医療機関とは?【2027年4月に義務化】
- 協力医療機関連携加算とは?単位数・算定要件・厚労省Q&A
- 高齢者虐待防止措置未実施減算の算定要件
- 【2026年版】科学的介護情報システム「LIFE」とは
- 個別機能訓練加算(Ⅰ)サービス種別ごとの単位数・算定要件
利用者負担軽減の仕組みの改定
補足給付(負担限度額認定)に関わる見直しは、以下のとおりです。
令和6年8月1日施行 基準費用額の見直し
令和7年8月1日施行 多床室の室料負担




