ポータブルトイレ・尿器のケアプラン文例|ニーズ・目標と選定理由【用具の種類別】

ポータブルトイレ・尿器などの排泄関連用具に関するケアプランのニーズ・長期目標・短期目標および福祉用具の選定理由の例文・文言集です。

居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成する際に直面する様々な課題を解決するためのお手伝いをします。

・排泄関連用具に関するニーズや目標、選定理由の文例や記入例を見ながら、ケアプランや計画書作成をスムーズに進めたい方へ
・監査や実地指導での指摘を避け、安心して業務に取り組みたい方へ

ポータブルトイレ・尿器・便器など排泄関連用具は、トイレまでの移動が困難な利用者や夜間の排泄に不安がある利用者の生活を支える重要な福祉用具です。排泄は日常生活の中でも特にプライバシーと尊厳に深く関わる行為であるため、本人の羞恥心や意欲に配慮した文言にすることが大切です。居宅介護支援事業所のケアマネが作る居宅サービス計画の第2表や福祉用具購入の必要性を説明する場面の参考例としてお使いください。

関連記事:トイレ・排泄・おむつ介助のニーズ・長期目標・短期目標の例文集

福祉用具購入費支給対象になる5種類の特定福祉用具の品目

福祉用具購入費支給対象になる特定福祉用具には、5種類の品目が定められています。

  • 腰掛便座(ポータブルトイレ)
  • 自動排泄処理装置の交換可能部品
  • 入浴補助用具(バスボード、シャワーチェア・浴槽用手すりなど)
  • 簡易浴槽
  • 移動用リフトのつり具の部品

参考:介護保険 特定福祉用具購入費支給、年10万円まで対象の仕組み(介護健康福祉のお役立ち通信)

排泄関連用具(ポータブルトイレ・尿器)に関するニーズ・長期目標・短期目標例文一覧

排泄関連用具のケアプランを作成するときは、「なぜトイレへの移動が困難なのか」「どの場面で用具が必要か(夜間・日中・緊急時など)」「本人の羞恥心や自尊心への配慮」を意識して文言を整理することが重要です。できる限りトイレでの排泄自立を目標にしながら、安全を最優先に考えた文言を選んでください。

夜間排泄・ポータブルトイレの導入に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
夜間にトイレまで歩くのが怖く転倒が心配なため、安全に夜間の排泄ができるようにしたい 夜間の排泄が安全に行えるようになり、転倒なく安心して生活が続けられるようになる ポータブルトイレをベッドサイドに設置し、夜間の安全な排泄ができるようになる
夜間頻尿がありトイレまでの移動が間に合わないことがあるため、失禁せずに排泄したい 夜間の排泄が適切に管理され、失禁なく安心して眠れる生活が続けられるようになる ポータブルトイレをベッドそばに設置し、夜間に間に合わず失禁することが減るようになる
夜間のトイレ介助が家族の大きな負担になっているため、本人が安全に自力で排泄できる環境を整えたい ポータブルトイレの活用により夜間の自立した排泄が可能となり、家族の夜間介護負担が軽減できるようになる ポータブルトイレを導入し、夜間に家族を起こさず自力で排泄できる回数を増やすことができる
寝室からトイレが遠く夜間の移動が危険なため、安全に排泄できる環境を整えたい 夜間の排泄環境が整い、転倒なく安全に排泄が継続できるようになる ポータブルトイレの設置により、夜間に廊下を移動せず安全に排泄できるようになる

日中の移動困難・排泄自立に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
下肢筋力の低下によりトイレまでの移動が難しくなってきたため、自立した排泄を続けたい 排泄関連用具を活用しながら自立した排泄が継続でき、尊厳ある生活が送れるようになる ポータブルトイレを活用し、介助なく自力で排泄できる状態を維持できるようになる
トイレまで間に合わず失禁することがあり精神的につらいため、安心して排泄できるようになりたい 適切な排泄環境が整い、失禁なく安心して排泄ができる生活が続けられるようになる ポータブルトイレの導入により、トイレに間に合わず失禁する回数が減らせるようになる
骨折後でトイレまでの移動が制限されているため、安全に排泄できる環境を整えたい 回復段階に応じた排泄環境が整い、安全に排泄が継続できるようになる ポータブルトイレを使用し、骨折部位への負担なく安全に排泄できるようになる
車いすを使用しておりトイレへの移乗が難しいため、安全に排泄できる方法を整えたい 車いす使用者に適した排泄環境が整い、安全に排泄が継続できるようになる ポータブルトイレへの移乗方法を習得し、介助量を最小限にしながら排泄できるようになる

尿器の使用に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
ベッド上での生活が中心で起き上がることが難しいため、安全に排泄できる方法を整えたい 尿器を活用して安全に排泄できるようになり、身体への負担なく生活が続けられるようになる 尿器の正しい使用方法を習得し、ベッド上で安全に排泄できるようになる
夜間に起き上がることが困難で排泄に困っているため、負担なく排泄できる環境を整えたい 夜間の排泄が安全に行えるようになり、身体への負担なく安心して眠れる生活が続けられるようになる 尿器を活用し、夜間に起き上がらずに安全な排泄ができるようになる

排泄の自尊心・尊厳への配慮に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
排泄の失敗が続き自信をなくしているため、失敗なく安心して排泄できるようになりたい 排泄が安定して自立してできるようになり、自信を持って生活が続けられるようになる ポータブルトイレの導入により排泄の失敗が減り、自分でトイレができる自信が回復できるようになる
排泄の介助を人に頼むことに抵抗があるため、できるだけ自力で排泄できる環境を整えたい 自立した排泄が継続でき、尊厳を保ちながら生活が送れるようになる ポータブルトイレを活用し、排泄介助を必要とする場面を最小限にできるようになる
おむつになることへの抵抗が強いため、できる限りトイレまたはポータブルトイレで排泄を続けたい トイレまたはポータブルトイレでの排泄が継続でき、おむつを使用せずに生活できるようになる ポータブルトイレを日常的に使用し、トイレでの排泄習慣を維持できるようになる

ポータブルトイレ・尿器の選定理由の例文

  • 下肢筋力の低下によりトイレまでの移動が困難であり、安全な排泄環境を確保するためにポータブルトイレが必要である。
  • 夜間頻尿があり暗い廊下でのトイレ移動に転倒リスクがあるため、ベッドサイドでの安全な排泄を確保するためにポータブルトイレが必要である。
  • 骨折後の免荷・可動域制限によりトイレへの移動が制限されているため、安全な排泄継続を目的としてポータブルトイレが必要である。
  • 車いす使用者であり通常のトイレへの移乗が困難なため、安全な排泄環境を整えるためにポータブルトイレが必要である。
  • ベッド上での生活が中心で起き上がりが困難なため、安全な排泄手段として尿器が必要である。
  • トイレまでの距離が遠く排泄が間に合わないことがあるため、失禁予防と自立した排泄の維持を目的としてポータブルトイレが必要である。
  • 夜間の排泄介助が家族の大きな負担となっており、本人の自立排泄と介護者の負担軽減を目的としてポータブルトイレが必要である。

 

【用具の種類別】排泄関連用具のニーズ・目標と選定理由の文例

ポータブルトイレは種類が多く、どれを選ぶかで本人の使いやすさと介護者の負担が大きく変わります。用具ごとに適した状態像とあわせてまとめました。

標準型ポータブルトイレ(樹脂製・軽量)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
夜だけでもベッドのそばで排泄できれば、安心して眠れる 夜間の排泄が安全に行われ、休息が確保された生活が続けられるようになる ポータブルトイレを使用し、夜間の排泄を転倒なく行える
体調が悪い日はトイレまで行けないため、そのときに使える方法がほしい 体調に応じた排泄方法が確保され、失敗なく生活できるようになる 体調不良時はポータブルトイレを使い、間に合わない場面がなくなる

選定理由の記載例:下肢筋力低下により夜間のトイレまでの移動が不安定で、過去に夜間の転倒歴がある。ベッドサイドにポータブルトイレを設置することで移動距離を最小限にし、夜間の安全な排泄が可能となるため必要である。

家具調ポータブルトイレ(木製・居室の雰囲気に配慮)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
部屋にトイレを置くのは抵抗があるが、安全のためには必要だと分かっている 本人が受け入れられる形で排泄環境が整い、安全に生活できるようになる 家具調のポータブルトイレを導入し、抵抗感なく使用できる
来客があるので、見た目が気になるものは置きたくない 生活の場としての居室の雰囲気が保たれ、安心して過ごせるようになる 使用しないときは椅子として使える用具を選び、日常生活になじませられる

選定理由の記載例:排泄の自立を保つためポータブルトイレの設置が必要であるが、本人が居室内に設置することへの心理的抵抗を示している。家具調で使用時以外は椅子として見える製品を選定することで、本人の受け入れが得られ、自尊心に配慮した排泄環境の確保が可能となるため必要である。

水洗式・自動ラップ式ポータブルトイレ

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
においが気になって使うのをためらうため、気持ちよく使えるようにしたい においの心配なく排泄用具が使用でき、快適な生活が送れるようになる 自動ラップ式の用具により、においを気にせず排泄ができる
後始末をする家族の負担が大きいため、手間を減らしたい 排泄の後始末の負担が軽減され、在宅での生活が継続できるようになる 処理の手間が少ない用具の導入により、家族の後始末の負担が減る

尿器(男性用・女性用)・差し込み便器

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
ベッドから起き上がるのがつらいため、寝たままでも排尿できるようにしたい 負担の少ない方法で排泄が行われ、安楽な生活が送れるようになる 尿器を使用し、ベッド上で自分で排尿できる
夜中に何度も起きるのがつらいので、負担を減らして休みたい 夜間の休息が確保され、日中を元気に過ごせるようになる 手元に尿器を用意し、夜間の起き上がり回数を減らせる

自動排泄処理装置(特殊尿器)

自動排泄処理装置は福祉用具貸与の対象ですが、交換可能部品は特定福祉用具販売の対象です。また、尿のみを自動吸引するタイプは要介護2以上、便も対象となるタイプは原則として要介護4以上が対象となります。

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
寝たきりで自分では排泄できないが、おむつの中で長く過ごしたくない 皮膚トラブルなく清潔が保たれ、安楽な状態で在宅生活が継続できるようになる 自動排泄処理装置の導入により、排尿後速やかに処理され皮膚の清潔が保てる
夜間の排泄介助で家族が眠れないため、負担を減らして在宅を続けたい 夜間の介護負担が軽減され、家族の健康を保ちながら介護が続けられる 装置の使用により、夜間のおむつ交換回数を減らすことができる

【状態別】排泄用具の選び方の考え方

状態像 適した用具の例 目標の方向性
日中はトイレ可能・夜間のみ不安定 標準型または家具調ポータブルトイレ 日中の自立を保ちながら、夜間の転倒を防ぐ
立ち上がりに介助が必要 ひじ掛け・背もたれ付き、高さ調整可能なポータブルトイレ 介助を受けながら座位での排泄を継続する
移乗が困難・ベッド上が中心 尿器・差し込み便器 負担の少ない方法で排泄し、皮膚の清潔を保つ
寝たきり・全介助(要介護4以上) 自動排泄処理装置 皮膚トラブルの予防と介護者の負担軽減を両立する
排泄への抵抗感が強い 家具調・使用時以外は椅子に見える製品 自尊心に配慮しながら、安全な排泄環境を整える

排泄全般のケアプラン文例は排泄・トイレ介助のケアプラン文例、夜間対応は睡眠障害・夜間対応の例文集もあわせてご覧ください。

排泄用具の選定理由でよくあるNG例と改善例

NG例 指摘されやすい理由 改善例
夜間の排泄のため。 なぜ通常のトイレでは対応できないのかが説明されていない 夜間はふらつきが強く、居室からトイレまで7mの移動中に転倒歴がある。ベッドサイドへの設置により移動距離を最小限にする必要がある。
おむつを減らしたいため。 目的のみで、本人の身体状況に基づく必要性が示されていない 座位保持は可能で排泄の意思表示もあるため、便座に座っての排泄が可能である。ポータブルトイレの使用により排泄の自立を保つことができる。
介助者が楽になるため。 介護者の都合のみで、本人の自立支援の視点が欠けている 本人が手すりを支えに立位保持でき、用具を使用することで自分で排泄動作を行える。残存機能の活用とあわせて介護者の負担軽減も図れる。
トイレが遠いため。 環境の説明のみで、身体状況の評価が示されていない パーキンソン病によるすくみ足があり、尿意を感じてからトイレまで移動する間に間に合わないことが週数回ある。移動距離の短縮が必要である。

排泄用具を位置づけるときの注意点

購入と貸与の区分に注意する:腰掛便座(ポータブルトイレ)・自動排泄処理装置の交換可能部品・排泄予測支援機器などは特定福祉用具販売(購入)の対象、自動排泄処理装置本体は福祉用具貸与の対象です。

設置場所と動線を確認する:ベッドからの移乗のしやすさ、介助スペース、後始末の動線(水回りまでの距離)まで確認して選定します。

本人の受け入れを最優先に:排泄は最も自尊心に関わる場面です。「安全だから」と押しつけず、見た目・においへの配慮を含めて本人が納得できる用具を選びましょう。

使わなくなる可能性も想定する:状態が改善してトイレでの排泄に戻れる場合もあります。モニタリングで使用状況を確認し、必要性が変わっていないか見直します。

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