施設ケアプラン「リハビリ・機能訓練」のニーズ・長期目標・短期目標の例文集

施設ケアプランの「リハビリ・機能訓練」に関するニーズ・長期目標・短期目標の例文・文言集です。

特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・グループホームなどの施設サービス計画書(第2表)を作成する際のお手伝いをします。

・リハビリ・機能訓練に関するニーズや目標の文例を見ながら、施設ケアプランの作成をスムーズに進めたい方へ
・監査や実地指導での指摘を避け、安心して業務に取り組みたい方へ

施設でのリハビリ・機能訓練は、身体機能の維持・向上と「できることを増やす・保つ」自立支援の観点から非常に重要です。特別養護老人ホームでは機能訓練指導員による個別機能訓練、介護老人保健施設では理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による本格的なリハビリテーションが提供されます。施設の種別・リハビリ体制・利用者の状態によって文例を選んでください。

東京都が示す施設ケアプランの模範例のように、「歩行器を使って歩く」「大きな声を出せるようにする」など、具体的な場面・動作レベルの目標を意識した文言にすることで個別性のあるプランになります。居宅版のリハビリ・機能訓練の例文集はこちらをご覧ください。

施設ケアプラン・リハビリ・機能訓練に関するニーズ・長期目標・短期目標例文一覧

施設でのリハビリケアプランを作成するときは「本人が何をできるようになりたいか」「どの程度の機能回復・維持が現実的か」「施設のリハビリ体制(個別・集団・訪問リハ等)と合っているか」を軸にニーズを整理することが重要です。

歩行訓練・歩行能力の維持に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
歩行能力が低下してきているが、できる限り自分の足で歩き続けたいため、歩行訓練を継続したい 歩行能力が維持・改善し、施設内を自分の足で移動できる生活が続けられるようになる 理学療法士・機能訓練指導員による歩行訓練を週○回継続し、手すりを使って廊下を○メートル安全に歩けるようになる
入院をきっかけに歩けなくなってしまったが、また歩けるようになりたい 歩行能力が回復し、歩行補助具を使って施設内を移動できるようになる 理学療法士による歩行訓練を週○回実施し、歩行器を使った平地歩行が○メートル継続してできるようになる
車いすでの生活が長くなっているが、できれば歩けるようになりたい 下肢筋力が回復し、短距離の歩行が歩行補助具を使って可能になる 立位保持訓練・歩行訓練を週○回継続し、平行棒内での歩行から歩行器での歩行へのステップアップが図れるようになる
歩行が不安定で転倒が心配なため、安全に歩けるようになりたい バランス機能が改善し、転倒なく安全に施設内を歩行できるようになる バランス訓練・下肢筋力訓練を週○回継続し、見守りのもとで安定した歩行が維持できるようになる
膝や腰の痛みで歩くことが怖くなっているが、できる範囲で歩き続けたい 疼痛を管理しながら歩行が継続でき、活動範囲が維持できるようになる 痛みの状態に配慮した歩行訓練を週○回継続し、痛みが増悪しない範囲で歩行距離を維持できるようになる
パーキンソン病で歩行が不安定なため、転倒なく安全に移動できるようにしたい パーキンソン病の症状に配慮したリハビリにより、転倒なく施設内を安全に移動できるようになる 理学療法士によるパーキンソン病に特化した歩行訓練(リズム歩行・すり足改善等)を週○回継続し、転倒リスクが軽減できるようになる

上肢・手指機能の維持に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
腕・手指の動きが悪くなってきており、食事や整容が難しくなってきたため、手の機能を維持したい 上肢・手指の機能が維持・改善し、食事・整容の自立度が保てるようになる 作業療法士による上肢機能訓練を週○回継続し、スプーンを使った食事が自力でできるようになる
脳梗塞の後遺症で麻痺側の手が動かしにくいため、できる限り機能を回復させたい 麻痺側上肢の機能が改善し、日常生活動作の自立度が向上するようになる 作業療法士による麻痺側上肢の訓練を週○回継続し、麻痺側の補助手としての活用が図れるようになる
手の細かい作業が難しくなっており趣味の活動ができなくなってきたため、手指の機能を維持したい 手指の機能が維持され、趣味の活動が継続できる生活が送れるようになる 手指の細かい動作訓練(作業活動)を週○回継続し、手指の機能低下を防ぎながら趣味活動が維持できるようになる

ADL訓練・日常生活動作の改善に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
自分で着替えや整容ができなくなってきたため、リハビリを通じてできることを取り戻したい ADLの自立度が改善し、着替え・整容の一部が自力でできるようになる 作業療法士によるADL訓練を週○回継続し、更衣動作のうち上衣の着脱が自力でできるようになる
食事を自分で食べることが難しくなってきたが、自力で食べられるようになりたい 食事動作の自立が回復し、自助具を使いながら自力で食事ができるようになる 作業療法士の指導のもと自助具・食事動作訓練を週○回継続し、食事の一部が自力で行えるようになる
トイレに自分で行けるようになりたいため、リハビリを続けながら動作能力を改善させたい トイレへの移動動作・排泄動作の自立度が改善し、自立または介助量が軽減した排泄が継続できるようになる 下肢筋力訓練と立ち座り動作訓練を週○回継続し、見守りのもとでトイレへの移動・排泄が行えるようになる
入浴動作を少しでも自分でできるようになりたいため、リハビリを通じて改善を目指したい 入浴動作の自立度が改善し、一部介助で入浴が継続できるようになる 作業療法士の指導のもと入浴動作訓練(洗体・動作練習)を週○回実施し、洗体の一部が自力でできるようになる

体幹機能・姿勢改善に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
座っているときに姿勢が崩れやすく、食事や活動がしにくくなっているため、姿勢を改善したい 体幹機能が改善し、安定した座位姿勢で日常生活活動が継続できるようになる 体幹強化訓練を週○回継続し、食事・活動中に安定した座位が○分間維持できるようになる
円背(背中が丸くなっている)が進んできており、呼吸や食事がしにくくなっているため改善したい 円背の進行が抑制され、呼吸・食事・日常動作が楽にできる姿勢が維持できるようになる 胸椎伸展訓練・体幹ストレッチを週○回継続し、姿勢の悪化を防ぐことができるようになる
立ち上がりの際にふらつきがあり危険なため、安定した立ち上がり動作を身につけたい 立ち上がり動作が安定し、転倒なく安全に立位が取れるようになる 下肢筋力訓練と立ち上がり練習を週○回継続し、手すりを使って安定した立ち上がりができるようになる

廃用症候群予防・離床推進に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
ベッドで過ごす時間が長く体の機能が落ちないか心配なため、できる限り体を動かしたい 廃用症候群の進行が防止され、現在の身体機能が維持できるようになる 毎日○時間以上の離床と機能訓練への参加を継続し、廃用予防が図れるようになる
動くことが減り全身の筋力が落ちてきているため、集団体操・機能訓練に参加して体力を維持したい 機能訓練への定期的な参加により体力が維持され、活動的な施設生活が続けられるようになる 機能訓練(集団体操・個別訓練)に週○回参加し、筋力・体力の低下を防ぐことができるようになる
脳梗塞後の安静で全身が弱ってしまったため、リハビリで少しずつ機能を取り戻したい 段階的なリハビリにより身体機能が改善し、日常生活の自立度が向上するようになる 理学療法士・機能訓練指導員による個別リハビリを週○回継続し、毎週少しずつ活動量が増やせるようになる
病気の影響で活動が制限されてきたが、廃用が進まないよう体を動かし続けたい 廃用の進行が抑制され、現在できる活動が維持された施設生活が続けられるようになる 病態に配慮した範囲で機能訓練・離床を毎日継続し、廃用症候群の進行を最小限に抑えることができるようになる

言語機能・嚥下機能の訓練に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
脳卒中の後遺症で言葉が出にくくなったため、言語療法を受けながらコミュニケーションを改善したい 言語機能が維持・改善し、意思疎通が図れる状態で生活が続けられるようになる 言語聴覚士による言語療法を週○回継続し、日常的なコミュニケーションの改善が図れるようになる
むせることが増えてきており食事が心配なため、嚥下訓練を受けながら安全に食事を続けたい 嚥下機能が維持・改善し、誤嚥なく安全に食事が継続できるようになる 言語聴覚士による嚥下訓練・機能訓練を週○回継続し、むせる回数が減少して安全な食事が維持できるようになる
声が小さくなってきてスタッフや他の入居者に聞き取られにくくなっているため、発声機能を維持したい 発声機能が維持され、施設内でのコミュニケーションが問題なく続けられるようになる 発声訓練・口腔体操を毎日継続し、声量・明瞭度の低下を防ぐことができるようになる

在宅復帰に向けたリハビリに関するニーズ・目標(老健向け)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
自宅に帰ることを目標にリハビリを頑張りたいため、機能の回復に向けて取り組みたい リハビリにより機能が回復し、在宅復帰が実現できるようになる 理学療法士・作業療法士による集中的なリハビリを週○回継続し、在宅での生活に必要なADLが自立してできるようになる
家に帰るために必要な体力・機能を取り戻したいため、積極的にリハビリに取り組みたい 在宅生活に必要な体力・ADLが回復し、○ヶ月以内の在宅復帰が実現できるようになる 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が連携した集中的なリハビリを週○回実施し、段階的な機能回復が図れるようになる
家に帰ってからも安全に生活できるよう、自宅環境に合わせた動作練習をしたい 在宅環境に対応した動作能力が身につき、退所後に安全な在宅生活が続けられるようになる 作業療法士による在宅環境を想定した動作訓練(階段・段差・自宅の間取りに合わせた練習等)を継続し、退所に向けた準備が整えられるようになる
家族が在宅での介護方法を知らないため、家族と一緒に介護方法・動作練習を学んでおきたい 家族が介護方法を習得し、安心して在宅復帰が実現できるようになる 退所前に家族参加のリハビリを○回実施し、家族が必要な介護動作・自助具の使用方法を習得できるようになる

自主訓練・日常生活の中での機能維持に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
毎日の機能訓練に参加しながら、少しでも体を動かして機能を保ちたい 機能訓練への定期的な参加と自主訓練の習慣化により、身体機能が維持できるようになる 施設の機能訓練に週○回参加しながら、居室でも理学療法士から指導を受けた自主訓練を毎日実施できるようになる
リハビリの効果が出てきたので、さらに回復を目指してリハビリを続けたい リハビリの効果が継続し、身体機能が段階的に改善しながら生活が続けられるようになる 理学療法士による評価を定期的に実施しながら、機能の改善に合わせてリハビリのプログラムを更新し、継続して取り組めるようになる

施設ケアプラン・リハビリ・機能訓練のプラン作成ポイント

①施設の種別によってリハビリ体制が異なる

特別養護老人ホーム(特養)では「機能訓練指導員」(看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師のいずれか)による機能訓練が提供されます。老健(介護老人保健施設)では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による専門的なリハビリテーションが週あたり規定された回数提供されます。グループホームでは機能訓練体制は各事業所によって異なります。ケアプランに記載するリハビリの内容・頻度は、各施設のリハビリ体制と整合させることが重要です。

②東京都の模範例のように「具体的な場面・動作」を目標にする

施設ケアプランのモデルとして厚生労働省・東京都が示している例では「100歳のお祝いのときには椅子に座り写真に写る」「大きな声が出せるようにする」など、具体的な場面・動作が目標に設定されています。「機能を維持する」という抽象的な表現だけでなく、「○メートル歩ける」「手すりを使って自分でトイレに行ける」など、達成したときに本人・家族がわかる具体的な表現を意識しましょう。

③本人の意欲・楽しみと連動させる

リハビリへの意欲は、ただ「訓練する」だけでなく「何のために頑張るか」という目的・楽しみと連動させることで維持されます。「家族に会いに行きたい」「食堂でみんなと食事がしたい」「庭の花を見に行きたい」など、本人が望む生活の場面とリハビリ目標を結びつけた文言を選びましょう。

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