透析(人工透析)のケアプラン文例|ニーズ・長期目標・短期目標【透析日別・腹膜透析対応】

透析(腎不全・人工透析)のある利用者に関するケアプランのニーズ・長期目標・短期目標の例文・文言集です。

居宅サービス計画書(ケアプラン)を作成する際に直面する様々な課題を解決するためのお手伝いをします。

・透析に関するニーズや目標の文例や記入例を見ながら、ケアプランや計画書作成をスムーズに進めたい方へ
・監査や実地指導での指摘を避け、安心して業務に取り組みたい方へ

人工透析(血液透析・腹膜透析)は、腎不全により腎機能が著しく低下した方に必要な治療です。週3回の通院透析が必要な方が多く、通院支援・食事制限(たんぱく質・塩分・カリウム・リン)・水分制限・シャント管理・透析後の疲労への対応など、生活全般にわたる管理が求められます。医療依存度が高く、多職種との連携が欠かせないテーマです。利用者の透析方法や体調に合わせて文言をアレンジしてお使いください。

透析(腎不全・人工透析)に関するニーズ・長期目標・短期目標例文一覧

透析のケアプランを作成するときは、「透析治療の継続」「食事・水分管理」「通院の確保」「シャントの保護」「透析後の体調管理」を軸にニーズを整理することが重要です。透析は生命維持に直結する治療であるため、治療の継続を最優先にしながら、生活の質も意識した文言を選んでください。

透析通院の継続に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
週3回の透析通院が必要だが、一人では通院が難しくなってきたため、通院を続けられる体制を整えたい 透析通院が途切れることなく継続でき、安定した在宅生活が送れるようになる 通院介助サービスを利用し、週3回の透析通院が欠かさず行える体制を整えることができる
透析日の移動が体力的につらくなってきたため、安全に通院できる方法を整えたい 安全に透析通院が継続でき、透析治療を受けながら在宅生活が続けられるようになる 通院介助または送迎サービスを活用し、透析日の移動による身体的負担を軽減できるようになる
透析日以外の日に体調が優れないことがあり、通院に影響が出ることがあるため体調管理をしながら通院を続けたい 体調が安定して管理され、透析通院を欠かさず継続できるようになる 訪問看護による透析日以外の体調確認を受け、異常時は速やかに透析施設・主治医へ連絡できる体制を整える

食事・水分管理に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
透析に伴う食事制限(たんぱく質・塩分・カリウム・リンの制限)が必要だが、一人では管理が難しいため支援を受けながら続けたい 透析食が継続して確保され、食事管理が適切に行われながら在宅生活が続けられるようになる 透析食対応の配食サービスまたは訪問介護による調理援助を活用し、制限に配慮した食事が毎日確保できるようになる
水分制限が必要だが飲みたい気持ちを抑えることが難しいため、適切な水分管理をしながら生活したい 水分制限が適切に守られ、体重増加や浮腫なく安定した透析が継続できるようになる 1日の水分摂取量の目標を設定し、摂取量を記録しながら管理できるようになる
カリウムの多い食品を避けることが難しく血液検査の値が気になるため、食事内容を見直しながら生活したい カリウム制限を守った食事が継続でき、検査値が安定した状態で透析が続けられるようになる 管理栄養士または訪問看護師の指導を受け、カリウムの多い食品の把握と代替食品の選択ができるようになる
食欲がなく必要なカロリーが摂れていないため、透析を続けながら栄養状態を改善したい 必要な栄養・カロリーが確保され、透析を継続しながら体力が維持できるようになる 管理栄養士の指導のもと透析患者に適した栄養補助食品の活用や食事内容の改善が図れるようになる

シャント管理・身体管理に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
シャントを大切に管理しながら、透析治療を安全に続けたい シャントが適切に管理され、トラブルなく透析治療が継続できるようになる シャントの観察方法(スリル・拍動の確認)を習得し、異常時に速やかに透析施設へ連絡できるようになる
シャント側の腕への負担に注意しながら、日常生活を安全に送りたい シャントへの不要な負担がかからない生活習慣が定着し、透析治療が安全に継続できるようになる シャント側の腕に圧迫・外傷がかからないよう注意すべき日常動作を理解し、実践できるようになる
透析後に血圧が下がったりだるさが強く出たりするため、透析後の体調管理をしながら生活したい 透析後の体調変動が適切に管理され、安全に在宅生活が継続できるようになる 透析後の安静時間を確保し、体調変化を観察・記録しながら異常時は速やかに報告できる体制を整える

体調管理・合併症予防に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
透析による体力低下があるが、できる範囲で活動しながら生活の質を保ちたい 体力が維持され、透析治療を継続しながら日常生活が安定して送れるようになる 透析日以外の日に無理のない範囲での活動・軽体操を行い、体力の維持が図れるようになる
透析患者は感染症にかかりやすいため、感染予防に取り組みながら健康を維持したい 感染症を予防しながら体調が安定した状態で透析治療が継続できるようになる 手洗い・うがい・口腔ケアの習慣化と透析施設でのシャント部位の清潔管理が継続できるようになる
透析と糖尿病・高血圧などの複数の疾患を抱えており、複合的な健康管理をしながら生活したい 複数疾患が適切に管理され、それぞれの症状が安定した状態で在宅生活が続けられるようになる 訪問看護師・主治医との連携のもと複数疾患の状態を定期的に確認し、異常の早期発見ができる体制を整える
足のしびれや皮膚のかゆみなど透析に伴う症状がつらいため、症状を和らげながら生活したい 透析に伴う症状が管理され、苦痛を最小限にしながら生活が続けられるようになる 症状の状態を定期的に訪問看護師・主治医へ報告し、適切な対処が図れるようになる

生活支援・家族負担軽減に関するニーズ・目標

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
透析通院の付き添いや食事管理など家族の負担が大きいため、専門職のサポートを受けながら在宅を続けたい 専門職のサポートにより家族の負担が軽減され、在宅での透析生活が継続できるようになる 通院介助・訪問介護・訪問看護を組み合わせ、家族が担う介護の範囲を明確にしながら負担を軽減できるようになる
透析による生活制限が多くストレスを感じることがあるため、楽しみを持ちながら生活を続けたい 透析治療を継続しながらも生活の楽しみが確保され、充実した在宅生活が送れるようになる 制限の範囲内でできる趣味・外出・交流活動を取り入れ、生活の満足感が維持できるようになる

 

【透析日・非透析日別】1週間の生活を整える文例

血液透析の方は、透析日と非透析日で体調も生活のリズムもまったく違います。ケアプランでは曜日によって支援の中身を変える設計が現場に即しています。

透析日(通院・疲労への配慮)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
透析の日は疲れて何もできなくなるため、負担を減らして過ごしたい 透析による疲労が考慮された生活が整い、体調を崩さず通院が継続できるようになる 透析日は家事支援を受け、帰宅後は休息に専念できる
透析後にふらつくことがあるため、転ばずに帰宅・移動したい 透析後の移動が安全に行われ、転倒なく生活が続けられるようになる 透析後の送迎・移動時に見守りを受け、ふらつきによる転倒がない
透析の日は食事の支度ができないため、栄養をとれるようにしたい 透析日も必要な食事が確保され、栄養状態が維持できるようになる 透析日は配食サービスを利用し、腎臓病食を無理なく摂取できる

非透析日(体調管理・活動の維持)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
透析のない日は体が動くので、できるだけ活動的に過ごしたい 活動と休息のバランスがとれた生活が続き、体力が維持できるようになる 非透析日に通所サービスを利用し、運動と交流の機会を確保できる
次の透析まで体重が増えすぎないように気をつけたい 体重・水分の管理が習慣となり、透析中の負担が軽減されるようになる 毎日の体重測定を記録し、増加が目安を超えたときに相談できる
透析のない日に買い物や用事を済ませたいが、一人では難しい 生活に必要な用事が滞りなく行え、在宅生活が継続できるようになる 非透析日に生活援助・外出支援を受け、買い物や手続きができる

【透析の種類別】血液透析・腹膜透析(PD)の文例

在宅で行う腹膜透析(CAPD)は、通院負担が少ない一方で、毎日のバッグ交換と清潔操作、出口部の管理が必要です。支援の内容が血液透析とは大きく異なります。

血液透析(週3回の通院)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
雨の日や体調の悪い日でも、透析に通い続けられるようにしたい 天候や体調にかかわらず通院が継続され、治療が途切れない生活が送れる 送迎手段を複数確保し、週3回の通院を欠かさず継続できる
シャントを傷つけないよう気をつけながら生活したい シャントトラブルなく、透析が安定して継続できるようになる シャント側での重い物の持ち運び・圧迫を避ける生活方法が身につく

腹膜透析(CAPD・在宅で実施)

生活全般の解決すべき課題(ニーズ) 長期目標 短期目標
自宅でのバッグ交換を続けながら、これからも家で暮らしたい 腹膜透析が安全に継続され、通院負担の少ない在宅生活が送れるようになる 清潔な操作環境が整い、決められた回数のバッグ交換が実施できる
カテーテルの出口が赤くならないよう管理したい 出口部の感染なく、腹膜透析が長く続けられるようになる 訪問看護による出口部の観察・ケアを週○回受け、異常を早期に発見できる
手技を家族が手伝っているが不安があるため、安心して続けられるようにしたい 家族が自信を持って手技を行え、在宅での治療が安定して継続できる 訪問看護から手技・観察点の確認を受け、家族が手順どおり実施できる
透析液や物品が家の中で場所をとるため、生活しやすく整えたい 療養環境が整い、生活の場としての快適さが保たれるようになる 物品の保管場所と動線を整理し、安全に生活・操作ができる環境になる

通院手段の確保に関する文例

週3回の通院が続けられるかどうかは、在宅生活を左右する最大の要素です。手段別に整理しました。

通院手段 ニーズ 短期目標
施設(透析クリニック)の送迎 送迎を利用しながら、負担なく透析に通い続けたい 送迎車の乗降時に見守り・介助を受け、安全に通院できる
介護タクシー・福祉有償運送 車いすのままでも安全に通院できる方法を確保したい 介護タクシーの利用手続きを行い、週3回の通院手段を確保できる
訪問介護の通院介助 家を出てから病院に着くまでの間、支援を受けながら通院したい 通院等乗降介助を利用し、乗降と受付までの移動が安全に行える
家族の送迎 家族の送迎に頼りきりにならず、無理なく通院を続けたい 家族が対応できない曜日の代替手段を確保し、通院が途切れない

通院支援の詳しい文例は通院支援・外出介助のニーズ・長期目標・短期目標の例文集をご覧ください。

透析のケアプランでよくあるNG例と改善例

NG例 見直したい理由 改善例
(長期目標)腎機能が回復する 透析導入後の腎機能回復は見込めず、達成できない目標になる (長期目標)透析が安定して継続され、在宅での生活が送れるようになる
(短期目標)水分を1日800ml以内にする 数値の管理は医療側の指示に基づくもので、指示内容の変更にも追随できない (短期目標)主治医から指示された水分量の目安を守れるよう、記録と声かけを継続できる
(ニーズ)慢性腎不全で週3回の透析が必要 疾患・治療の説明であり、本人の望む生活が見えない (ニーズ)透析を続けながら、住み慣れた自宅での生活を続けたい
(短期目標)シャント管理を行う 誰が何をするのか不明確で、評価もできない (短期目標)毎日シャント音の確認を行い、変化があれば速やかに医療機関へ連絡できる
(サービス内容)透析日はサービスを入れない 支援がない日の生活課題(食事・疲労)が放置される (サービス内容)透析日は帰宅後の休息を優先し、家事支援を前日または翌日に配置

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